第17話 そして進軍が始まる
俺がギルドに転移で戻ると、衛兵が来ていた。なんでも、一定数の通報であの8人組を捕らえるそうだ。すぐに引き渡し、やっと元々約束していた冒険者ギルドの中のVIPルームに入る。
「流石だね、時鳥」
「凄いんだね時鳥君!転移って魔法系統じゃないんだ!」
「...多分、神官の派生にでも出てくるんだろうな。勇者にも出てきそうなもんだが」
「あ、多分出てくるよ、ファル。だってこれ女神様から授けられたやつだし」
「「「は!?」」」
トッププレイヤー三人は、物凄く驚いた。女神様と、コンタクトを取った!?
WBOにおける女神とは、特殊な存在である。偶像は各地の教会に飾られているのだが、その全てで姿形が違うのである。どれが本当の女神なのだろうか、とプレイヤーたちが血眼になってクエストを探したのだが、どれだけ探しても見つからなかった。そんな中でファルは史上初、女神の声を聞いたのである。
その後、死神、狂帝、戦理帝、海鳥の当時の総合戦力TOP5が女神の声を聞いた。これらのことから、女神がコンタクトを取ってくるのは一定以上の戦力を持ったものに限る、という仮説が立てられた。
「あ、あと種族進化した」
「いやお前マジで一人の間に何が起こったか説明しろ」
「ほんとだにゃ!説明してにゃ!」
「あっ!猫帝!やっと会えたな!」
現世界ランキング4位、クラン<もふもふ会>リーダー、<猫帝>ヴェルディ・オルカ。
猫を召喚し、敵を殲滅するその姿はさながら神のよう。彼女は四人のリアルの友だちである。
因みに、余談だが、この五人は全員同じ学校に通っている。前に話した、ヴァストフVR高等学校。勿論そこに在籍しているだけあってかなりの技術や学力を持つ。
「あ、なら猫帝、この動画編集してUPしていいぞ!」
そう言って俺のテュラティアラまでの道中を録画したものを渡す。実は猫帝は今絶賛バズっているEtubeのPlayerなので、説明が面倒なのでどうせなら動画にしてしまおうという考えである。
「うひょおおおおおおおおおおお!?ありがとおおおおおお!!!!!!!!」
そう言って、奴はしれっとフレンド登録だけして消えていった。
「さて、俺らも第三の街、スルリックへ向けて移動するとするか。」
「そうだな、行こう!足手まといにならんよう頑張るぞ!」
「因みに今のレベルは?」
「Lv.30+(198)だが...ん?何か問題だったか?」
「...いや、特にないかな」
「流石時鳥君って感じ?」
「ほれほれ、俺らはどうせ攻撃は禁止なんだから良いだろ!」
「それでも負けてるのって悔しいじゃないですか...」
「あ、人形のモンスターだ。<超級暗殺術・獄門>」
「「「それプレイヤーだわアホ!?」」」
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