心は死んだと君は言った

心は死んだ、と君は言った

あまりにも静かな

明るいとさえいえる声だったから

尚更、痛々しくて

わたしはかける言葉を失った


痛みや絶望は深くなるほど

人を淡々とさせる

それがどれだけ残酷なことかは

その傷を負ったものにしか

きっとわからない


苦しみは比べられるものでもないし

自身の真実ほんとうを知ることができるのも

自分だけだから




君はポツリポツリと

話し続けている

横に座ったわたしは

頷きながら

黙って聴いている


静かな夜の公園のベンチ

遠くで車の音がする

秋風が頬を撫でていく



街灯が、わたしたち親子を


ただ静かに照らしていた

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