寂しい季節

いつからだろう

夏が過去形の季節になったのは


懐かしさと

想い出ばかりが溢れて

わたしは無意識に

目を瞑る


いつからだろう

夏がこんなに遠い存在になったのは


現在進行形で歩くには

この陽射しは強すぎて

目が眩んで

立ちすくんでしまう



みんな、いってしまった

みんな、みんな、みんな


海への道はもう忘れた


覚えているのは

潮の香りと砂の感触


白いサンダルは片方失くした


麦藁帽子は風に飛ばされたきり

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