細い爪痕

無ではないということ

どんなものにしろ

何らかのものが

そこに

積み重ねられているということ


それは救いにならないだろうか



0と1の大きな違い

恐ろしいのは

そこに何もないことのほう


この傷すら

生きている痕跡であり証なのだと

ふと思う


がらんどう、の果てない虚しさ

それよりは

それよりは


0を1にするために

細い爪痕にしか過ぎなくても


生きる、ということをしたい


どんなに小さな足掻きだろうと

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