第19話 おかしな目撃情報

シャトルが帰還する同日。

その日シャトルが着陸する場所から離れた所に、妙な目撃情報が寄せられたとハバキリに連絡が入る。

シャトルの方の警備もある為、偵察と確認のみということでウルと瀬那の魔法装甲を現場近くに降ろし対応に当たるとした。




瀬那「しかし、何なんですかね?妙なモノって言ってたそうですが…それに私達だけっていうのは」

ウル『さあな。被害の報告はないが目撃情報はそれなりにあるようだ。このご時世だ周辺の住民も不安がるのもわかるだろう?それに総司令も全く考え無しに俺たちを指名した訳ではないだろうしな?』

瀬那「ウルさんの黒鋼と私の白騎士の事ですか?」

ウル『あぁ。この2体の索敵能力や情報解析は他の魔法装甲よりかなりの高度な領域に達している』

瀬那「確かにそうですよね。それに、装甲騎手無しで魔法装甲単体で長時間活動できるのはこの2体だけですからね」




そして2体は目撃があったという場所へ到着する。




瀬那「何も…ないですね…」

ウル『痕跡もないようだな…』

瀬那「誤報って事ですかね?」

ウル『まぁ、何もないに越した事はない…。とりあえず装甲を降りて俺たちも少し周囲を探索するとしよう』

瀬那「ハイ!」




2人は装甲をオートモードに設定した後、装甲から降りて探索を始めた。

少しして、森の開けた場所に誰かが倒れているのが見えた。

2人は急いでその倒れている人物に近寄る。



ウル「大丈夫か!?……この人…いやエルフか?何処か副司令に似ている感じもあるが…」

瀬那「とりあえず、簡単な処置をして近くの医療施設へ!」

ウル「あ、あぁ…そうだな」



そんな2人に黒鋼から通信が入る。




黒鋼:大変だ、近くに魔獣の反応あり。数は3だ。最近現れている奴らとパターンが違う。おそらくは魔物が魔獣化したものだと推測する。

ウル「了解した。聞いていたな?俺は戻って魔獣を倒してくる。お前は魔法が使えないだろうからこの薬を飲ませてやれ」

瀬那「わかりました。ウルさん、気をつけて!」

ウル「お前もな。魔物が近くにいるかもしれないから十分に気をつけろ」




瀬那は頷くとウルを見送る。

そして、倒れているエルフの少女へ薬を飲ませようとした。

すると、少女は目を覚まし瀬那を突き飛ばすと森の奥へ走って行った。



瀬那「ま、待って!」




追いかける瀬那。

だが、その追跡を妨げる人物が突如瀬那に覆い被さった。

瀬那を押し倒したのはローブを深く被った人物。



瀬那「!?っ!は、離して!」

「ほぅ…。中々いい女だな…。おっと、少し黙っててもらおうか?」



そう言って片手で口を塞がれる。

暴れて抵抗するもかなり力が強い。



瀬那「むぐぅ!?(この声…)」

「目的の反応はコイツからだ…。コイツから奪うのは容易いが…その前に少し楽しみたいものだな!」



バリッ!


瀬那の上着が破られ下着が露わになる。



瀬那「イヤッ!」



口を塞がれた手が外れた事で声が出せた瀬那。



「へぇ…。中々いい身体だ…」

瀬那「や、やめて!」



自分の上に乗り、胸を触っているローブの人物に必死の抵抗を試みるがびくともしない。



「このまま君を味わっていきたい所だが、時間はあまりかけていられないからな…。彼方が気がつく前に君の口も封じておかないといけないしな?」




そう言ってウルが戦っている方向を見る。

そして、ローブの人物は瀬那の顔の目の前に手を翳すと、魔力を集め始める。

瀬那顔の前は燃える様に熱いものを感じていた。



「それじゃね…可愛い君…」



瀬那はもうダメだと目を瞑った。













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