第14話 消える友達

魔獣になったエリゼさんを殺した紅蓮の装甲がこちらは向かってきている。

第2部隊を瞬時に無力化しただけでなく、不意打ちをした筈のウルさんも対応され撃墜された。




瀬那「来ないで!来ないで!」

スカイ:ダメです。動きの予測が…。



瀬那は紅蓮の装甲へ遠距離攻撃をし、此方へ向かってこない様にしている。

それに合わせるように仲間達も攻撃を繰り返しているが当たる気配はない。



綺『瀬那ちゃん、危ない!!』

瀬那「ハッ!」

スカイ:大丈夫です。



何とかスカイが反応し、背後からきた遙の攻撃を回避した。



瀬那「やめて遙!」

魔獣「ヴ……ヴゥ…セ…ヴァ…」



呼びかけるも僅かな反応しかない…。

そんな隙をついて紅蓮の装甲は急速に接近していた。

呼びかけていた瀬那以外、全員一斉に攻撃を紅蓮の装甲に加える。

だが、全ての攻撃は弾かれたり回避され当たる事はなかった。

いや、それだけではなかった。




琳『な…に…』

綺『あの一瞬で…』

ラナ『私達の装甲に一撃を入れるなんて!』

クルール『化け物かよ…』

綺『それだけじゃない…皆んなの攻撃を、反射させて当てようとしたけど、ルードの弱点をピンポイントで狙われた…』

琳『俺たちの攻撃を初見で看板しただけじゃない…奴は俺たちの動きを完全に把握している…』





瀬那の装甲以外全員動けなくされていたのだ。



瀬那「ダメ!来ないで!」



紅蓮の装甲は地面に降り立つと遙にゆっくりと向かってくる。

その間に立ち進路を遮る。



『邪魔をするな…』

瀬那「いや!遙は私が守る!」

『今のお前に彼女が救えるか?』

瀬那「わ、私は…」

『気持ちだけでは何も救えない…』

瀬那「っ!?」



ガシャン!



紅蓮の装甲の背後から黒鋼がしがみつく。




ウル『よく時間を稼いでくれた!』

『まだやるか…』

ウル『瀬那!俺の事は構うな!コイツごとやる勢いで攻撃しろ!』

瀬那「でも!」

ウル『急げ!ぐぁっ!』

瀬那「キャァ!」



黒鋼は紅蓮の装甲に簡単に浮かされると瀬那の装甲の元へ投げられる。

黒鋼が投げ飛ばされた勢いから折り重なった2体は吹き飛ばされる。



魔獣「ア……ァ…」

『今、楽にしてやる…』



紅蓮の装甲は手に持っている銃を構え魔力を再び溜める。



瀬那「ダメェー!」

ウル『やめろぉぉぉー!』




止める2人の声も虚しく、その引き金は引かれてしまう。

魔獣化した遙もまた、エリゼのように粒子状になり消えていった。

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