シン・ブライハ!

夢水 四季

第1話

俺は大学進学を機に、関西から上京してきた。

 学部は文学部。選んだ理由は何となくだ。国語は得意だったし、問題はないだろう。



 上京一日目のこと。

 引っ越し先のアパートを片付けて、街に出た。

 東京散歩だ。


 さすが東京。

 まず人が多い。

 駅の人混みを抜けて、道に出る。

 行くあては特にない。テキトーに、ぶらつく。

 駅近の繁華街は、まだ人が多いので、出来るだけ裏道に行くように歩いていく。

 そろそろ昼時だ。何か穴場の美味しい店とか見つけたい。


猫が横切った。

「にゃあん」 

 三毛猫だ。目が合った。

「にゃあん」

 俺は昔から猫が好きだった。

 触らせてくれるか分からないが、じりじりと距離を詰めていく。

「にゃあん」

 猫が後ろを向いて、ゆっくり歩く。

「にゃあん」

 振り返って、目が合った。

 

 今日は、この猫に付いて行ってみよう。

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