恋は絡まったイヤホンのように
君のイヤホンから漏れ出る音が途切れ途切れ聞こえる。
僕と話をしたくないのか君は、大音量で音楽を聴く。
こっちに来るなって、その音の大きさが僕を拒絶する。
その音は見えない壁で僕と君とを隔てる。
彼女は背を向けたまま、イヤホンを外さずベットで寝てしまった。
朝起きてみると、ぐちゃぐちゃに絡まったイヤホンがベットの上に落ちていた。
僕と君の関係みたいだ。
昔はお互いの想いは一直線で伸ばしたイヤホンのように心はつながっていたに、今や二人の関係はぐちゃぐちゃに絡みきってしまっている。
僕は彼女のイヤホンをそっと手に取り、ぐちゃぐちゃをほどいてから、静かな部屋の中でそっと再生ボタンを押す。
音楽の隙間から彼女の寝息が聞こえた。
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