夢の中で君に出会ったということ

 気がつくと僕は天井を見ていた。

 朝だ。

 ぼんやりとした思考で、僕はうとうとと考える。

 とてもいい夢を見ていた気がするんだ。

 どんな夢?

 今日の夢の内容をしばらく考えていたが、てんで思い出せない。

 とても大切な夢だった気がするんだ。

 だってこんなにも気持ちがポカポカしているんだから。

 ああ、わかった。

 君の夢を見ていたんだ。

 あたたかくて、やさしくて、わずかに甘くて、そして少しくすぐったいこの気持ち。

 夢の中で君が会いに来てくれたんだ。

 洗面所で顔を洗いはっと顔を上げ鏡を見ると、いつも以上に寝癖がひどかった。

 きっと彼女が夢の中で僕の頭を撫でてくれたんだ。

 僕はなんの根拠もなしにそう確信した。

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