涼香の誕生日会の準備中にて

 学校へ来る途中、同級生何人かと会い「誕生日おめでとう」と言葉を貰いながら学校へとやって来た涼香りょうか涼音すずね


「じゃああたしケーキ作ってきますから、先輩は迷惑かけないように大人しくしといてくださいね」

「まるで私が問題児だと言っているように聞こえるわね」

「問題児じゃん」

「涼音が可愛すぎるのがいけないのよ」

「涼音ちゃんが可愛いのは同意」

「なに人のせいにしてるんですか、じゃあそろそろ行くんで、先輩方、よろしくお願いします」


 準備中の教室に取り残された涼香は、なにかすることが無いかと視線をさ迷わす。今は高そうなカメラとモニターを設置している最中だ。


「私も手伝うわよ」

「やめて‼ あ、違う。涼香は今日の主役だから、そこで大人しくなにも手を触れずに黙って座ってくれればいいから」

「気を遣わなくて結構‼ 遠慮せず休んでて‼」

「触るなよ‼ 絶対に触るなよ‼」

「触れということね」

「ちがーう‼ 六班、涼香隔離対応お願いしまーす‼」


 八時から準備を始め、九時前の今はある程度機材の配置は済んでいるのだ。下手に触ると、それも涼香に触らせると、機材がどうなるか分からない。


 それでも、本日の主役は大人しくしていてくれるかと思ったが、そんなに甘くは無かった。


 これは早急に隔離対応をするべきだ。


 ということで、引き摺られながら教室を出ていく涼香であった。

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