涼音の部屋にて 25

「おはようからおやすみまで飛んでしまったわね」

「意味わかんないです」


 二人が目を覚ましたのは二十時だ。ぐっすり眠れたため、頭はスッキリしている。


「お腹が減ったわね」


 起きる時間に関係無くお腹は減るもの。こんな時間だが、これからの活動のために食べなければならない。


「取りに行ってきますね」


 事情を知っている涼音すずねの両親はきちんと朝食と昼食に代わる物を用意してくれているはずだ。


 部屋から出ていった涼音がしばらくして戻ってきた。


「どうしたの? まさか――」


 沈痛な面持ちで帰ってきた涼音に、まさかと思った涼香りょうかが問いかける。


 涼音が持っている物、それはそうめんだった。


「そのまさかですよ!」


 そして紙袋を持ってくる。


「流しそうめん器あるよ、って渡されました」

「深夜の流しそうめんね」


 演出の問題ではなく、そうめん自体に飽きているのだが――。


「使います?」

「せっかくだし、使ってみましょうか」

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