水原家にて 26
――一方その頃。
眉根を寄せた
あの後母と言い合いになったが一応和解、渋々勉強を教えてもらっている。
「ここ、間違えているわよ」
解いたばかりの問題を、母が指さす。
「わざとよ。お母さんが気づくか試したの」
「あらそうなの。ここも間違えているわよ」
そう言って少し前に解いた問題を指さす。
「……………………よく気づいたわね」
髪の毛を払う涼香、間違えた解答に斜線を引いて、その隣に別の解答を書く。
その澄ました動作、迷いなく即座に書かれる解答。自分が間違っているなど露程も疑わない。
「それも間違っているわよ」
……黙って頬を膨らませる涼香であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます