家電量販店にて 3

 洗濯機で癒された涼音すずね夏美なつみだったが、今は冷蔵庫と冷凍庫があるエリアに来ていた。


 主に涼音が見ているのは冷凍庫だ。縦型の細長い冷凍庫の中を見て、なにやら考えている様子だ。


「どうしたの? そんな熱心に見て」


 中の横幅と棚の深さを見ている涼音に声をかける。


「容量見てんの、冷凍物がどれぐらい入るかとか」

「へえ、結構買うの? 冷凍物」

「いや別に。ただ、ふるさと納税の返礼品で魚いっぱいになりそうだから」


 それはあと何年先になるのか。


 少なくとも、涼香が社会人として働くまでは訪れないことだ。だけど、そういった未来を想像するのが楽しいのである。


「そんなにふるさと納税してるの?」


 夏美からすると、今涼音が言ったことは、現在の話だと思うのは仕方が無い。


 涼音の親も、涼香りょうかの親も、ふるさと納税は利用しているが、別に冷凍物以外の返礼品もある。さしあたって、冷凍庫が必要な状況には陥ってない。


「いや別に」

「えぇ……」


 よって、困惑してしまう夏美である。

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