鍋料理店にて 4

「かりゃ――くない……」


 反射的に辛いと出てしまったが、すぐに飲み込む。


「美味しいです!」


 またすぐに鍋から違う具材を器に入れて食べる。


 ピリッとした辛さはくるが、辛さよりも旨みの方が強かった。


「でしょ?」


 ここねが菜々美ななみの口に薄揚げを入れながら笑う。


 菜々美は鼻水と涙を流しながら入れられた食材を口に入れられては飲み込む。


 辛い食べ物が相当苦手だというのは本当らしい。


「言った通りでしょ? いやあ、美味い」


 若菜わかなも具材を器に入れながら笑う。


「この前のラーメンみたいに辛いと思ってましたよ」


 丁度いい辛さだ、箸が止まらない。


「見た目は辛そうだもんね」


 この鍋の美味しさが伝わったようで嬉しそうなここね。力尽きそうな菜々美を休ませて自分の分を食べる。


 涼音と若菜は追加の具材を頼もうとメニューを見る。


「肉頼むね」

「じゃあ野菜もお願いします」

「おっけい」


 タブレットを操作して追加の注文をするのだった。

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