第8話 みんなでご飯
ついにこの日が来てしまった。
今日は土曜日。普通の人だったら休日で嬉しいはずなのだが、
今日だけはそうもいかなかった。
なぜなら、松海さんの家でご飯(晩御飯)を一緒に食べることになっていたからだ。
松海さんの親御さんは自分がご飯を食べに来るように言われてどう思ったのだろうか。
そう考えてるうちに、松海さん家に着いてしまった。
「なんでこんなに気が重いんだろう」
ピンポーンとインターフォンを押すと、
「こんばんは、五十嵐さん。今日は私の都合で呼んでしまい、すみません。
ですが、今日は楽しんでください」
そう言われて、家の中に入れられる。これでこの家に入るのは3回目だ。
「おっ、いらっしゃい、少年」
「お邪魔します。渚咲さん」
よかった。今日は圧がない。最初から来るのがわかってたり、ちゃんとした理由があれば、
あの圧が出ることはないようだ。
「香奈から話は聞いてるわよ。今日はよろしくね」
「はい。よろしくお願いします。えっと…」
「もう、お母さん先に自己紹介しないと」
「そうね。私は松海
「はい。よろしくお願いします未来さん」
「ねぇ、もうお腹すいたよー。ご飯食べようよー」
と渚咲さんが言う。
すると、
「そうね。ちょっと早いけどもうご飯にしましょうか」
それじゃあ準備をしましょうと言うと、
香奈さんと渚咲さんが食卓の準備をし始めた。
僕も手伝おうかと思ったが、
「五十嵐くんはお客さんなんだから大丈夫よ」とやんわり断られてしまった。
そうしているうちに準備ができ。
「いただきます」
「いっただっきまーす」
「いただきます」
「今日のハンバーグは美味しくできたからねー」
そう、今日の晩御飯はハンバーグだった。
まず、ハンバーグを一口。すると中から溢れんばかりの肉汁が溢れ出してきた。
すごく美味しい。
「未来さんすごく美味しいです」
「そう、よかった。でもまだ秘密があるのよ」
不思議に思いもう一口。
「んっ!」
そしたらなんとチーズが出てきた。
まさかのチーズインハンバーグだったのだ。
まさか家でチーズインハンバーグを食べられると思ってなかった。
チーズインハンバーグは母さんが作ろうとして、焼いてるうちにチーズが出てきてしまい、
作るのが難しいんだと思っていたのだが、こんなに綺麗に作れるんだと思った。
「そう、今日はチーズインハンバーグなの。一段と上手くできたから私もびっくりしちゃった」
ご飯を食べ始めてから少したち疑問に思っていたことを聞く。
「そういえば、今日、お父様はどちらに?」
「今日は遅くなるって言ってたから、けどもう少しで帰ってくるんじゃないかしら」
ガチャ、と玄関の方で音が鳴る。
「ほら、帰ってきたみたいよ」
「ただいま。君が五十嵐くんだね。香奈から話は聞いてるよ」
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