(三)-2

「昨日の夜はすみませんでした。急に仕事で呼び出されてしまって……」

「いや、いいんですよ。そういう仕事なら、仕方ないですし」

「また、ご連絡しますので。次こそ、是非」

 そんなやりとりをしていると、海老名の後ろに立っていた制服の警察官が、肩の無線のマイクと「了解、現場に向かいます」とやりとりをしていた。

 そして警官は海老名に何かを耳打ちした。

 すると海老名は急に真面目な顔になって美佳子に「この先で事件だそうです。急行しますのでこれにて失礼します」と敬礼した。

 そして海老名たちは、先ほど美佳子が歩いてきた方へ走っていった。

 美佳子は、先ほど行ったホストクラブのことを思い出した。それなので海老名の後ろ姿に「待って、ダメ、そっちはダメ!」と声をかけた。しかし二人はその声に気づかず、行ってしまった。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る