(二)-18

 美佳子には現実が受け入れられなかった。現実となって現れる目の前の全ての日常に抗わずにいられなかった。それは抗う必要のあるものではなかったにもかかわらず、だ。

 それはここに来る前もそうだった。ここにきてももうどうにもならなかった。

 母親はニグレクトで自分の娘にすべきことをしてこなかった。

 父親は暴力を振るっていた。母親にも、美佳子にも。それも殴る蹴ると言った物理的な暴力だけでなく言葉の暴力も伴っていた。さらに、美佳子が大人になる前から、父親からは慰みものにされてきた。


(続く)

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