(二)-2

 その席には、すでに五人の男女がいた。

「遅いよ、美佳子」

 美佳子の登場に最初に気づいた川合優輝ゆうきが声を上げた。そして飲んでいるグラスを高く掲げて美佳子を歓迎した。

 その声と同調するように、他の四人も美佳子の方へ振り向いた。美佳子が初めて会う人たちだった。

 座るように求められ、一人の男性の隣の席に美佳子は腰をかけた。

 すぐにドリンクメニューを渡されて何を飲むかを求められて美佳子は「ウーロン茶を」と言うと、別の男性が店のフロアの方にいる店員に向かって大声で注文した。


(続く)

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