虐げられたSubは冷酷非情な公爵に囲われる
ねこ丸3号
プロローグ
いつものことだった。
いつも通り客をとりplayをする。
いつも通り客に殴られケアもされずに終わる。
いつも通り客に犯され気を失うまで挿れられる。
いつもいつもいつも。変わらない日常だった。
どんなに辛くても寂しくても。
身寄りがないラルムに助けを求める相手などいなかった。
娼館の従業員にケアしてもらうことはあった。でもそれも仕事だったから、とても事務的なものだった。
もう使えないと思われたらすぐ捨てられる。今日も深くdropして廃人のようになった子が捨てられていった。
なんとか助けたいと思っていた時期もあった。娼館に入りたての頃のことだ。
気の弱そうな子に話しかけ、ケアの真似事をしてみたりした。
でも、すぐにそんなことはどうでも良くなった。
自分のことで精一杯なのだ。つけられた傷を目立たないようにする。熱が出たらバレないように化粧をする。
今日は特にひどい日だった。
休憩もなく抱かれ続けたあとに、ひどい言葉を浴びせかけられた。
「おまえって本当に気色わるい。なんだその髪色。相手してやってる俺らに感謝しろよ!」
「ほんとそれ!肌は異常なほどに白いし目が水色とか…。キモすぎて引く。生きてる価値ないわ」
生きてる価値ないは何度も言われた言葉だ。でも今回は前までとは少し違う状況だった。
抱かれ続けて疲れている時に強いglareを当てられ、永遠と言われ続けたのだ。
生きてる価値ない…死ね…消えろ…
言われた言葉が頭にぐるぐる回る。視界は暗くなり体が震え始めた。客が出て行ったことにも気がつかなかった。
存在価値ない…死ね…きもい…
客がいないことにやっと気づきなんとか部屋から這い出し裏の扉から外に出る。この部屋は次の客が使うからすぐに出ないと怒鳴られる。
ふらふらと路地裏を歩き突き当たりで座り込んだ。
死ね…消えろ…まだ生きてるの?
ひんやりとした石畳が体を冷やす。
元々暗いのにさらに視界が暗くなる。ずぶずぶと何かに飲み込まれそうになる。
必死で抗っても何かが迫ってくる。怖い…暗い…怖い怖いこわい…
でもふと思った。抗って何になるんだろう。死んでも悲しんでくれる人などいないのに。
そう思った瞬間全てがどうでも良くなった。暗くて寂しくて怖い場所にどんどん引き込まれていく。
体の力を抜き完全に呑まれそうになった時、一筋の光がさした気がした。
「おい、大丈夫か?おい!…くそっもどってこない、おい!…」
でもそれもすぐに分からなくなり、暗闇に呑まれ気を失った。
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