カラスに襲われた仔猫の相談案件②

「カラスに襲われた仔猫の相談案件①」の続報。

 カラスに襲われているところを保護された仔猫4匹。

 現在は保健所に収容され、ミルクボランティアが育てています。

 翌日になり、付近に住む別の方からの情報で、仔猫は5匹いると分かりました。

 カラスに襲われていた4匹の他に、母猫と一緒に1匹いる筈との事です。


 餌やりがいるそうなので、情報をくれた人と協力してTNRしようという事に。

 母猫と一緒にいる1匹はそのまま母猫と生活してもらい、いずれ避妊去勢手術するのが無難なところ。


 仔猫がカラスに襲われる騒ぎは、野良猫の多い石垣島ではよくある出来事。

 これは、仔猫を保護しただけでは真の解決ではありません。

 母猫を避妊手術しなければ、次の子が生まれてカラスに襲われる事になります。


 ラリマーはTNRを呼びかけ、お手伝いをしています。

 石垣市は、野良猫の避妊去勢手術にも助成金を出しています。


 カラスに襲われている仔猫を見つけたら、その子を保護するだけでなく、母猫のTNRを考えてほしい。

 多くの人は自分で飼えないから保健所や保護団体に「保護してほしい」と言いますが。

 仔猫を奪われる母猫の事は、あまり考えられていないようです。


 我が子を連れ去られた母猫は鳴いて必死で探し回ります。

 授乳中なら乳が張って苦しい思いもします。

 仔猫の事だけじゃなく、母猫の事も考えてほしい。

 母猫にとっては、仔猫がいなくなるのだからカラスに食べられるのと大して変わりません。


 そして…

 育児を強制終了された母猫は、次の妊娠・出産に向かう

 …という事まで分ってる人は少ない。



 4年前の1月1日、筆者の職場の敷地内でカラスに襲われている仔猫たちがいました。

 見かねた猫好きスタッフが仔猫を保護して自宅に連れ帰ったのですが。

 その後すぐ、敷地内を鳴きながらウロウロする母猫が出現。

 母子は別のスタッフが餌をあげている野良猫でした。


「ずっと鳴いてる。乳が張っていて可哀想」

 母猫を見ているスタッフは心配して言いましたが。

「カラスに襲われるから外には戻したくない」

 仔猫を保護したスタッフは戻す事を拒否。

 その後、仔猫3匹のうち1匹は保護したスタッフの飼い猫に、2匹は里親希望者に引き取られました。


 餌やりスタッフによれば、その母猫はこれまでに何度も仔猫をカラスに襲われて亡くしているという。

 産んで、カラスに食べられて、また産んで、そんな事を3~4ヶ月周期で繰り返していた母猫。

「TNRをしよう」

 筆者の呼びかけに30名以上が賛同、餌やりスタッフが捕獲協力。

 母猫の避妊手術が出来たのは2020年1月31日の事でした。


 

 TNR後の母猫は妊娠や出産・カラスの襲撃から解放され、ふっくら毛ヅヤの良い美猫に変身。

 スタッフやお客さんにキャットフードやちゅーるを貰い、台風時には建物の中に入れてもらえる。

 地域猫の中ではかなり優遇された生活を送っています。


 石垣島の仔猫相談は、仔猫が保護されて終わりではない。

 母猫の避妊手術をすることが大切です。

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