第7話 7枚ババ抜き

手札

ライト  |♡J|♡Q|

キノコ  |◇J|◇Q|Joker|負債2000万


***



「まだジョーカーはキノコ様が持っておられるので、ライト様が続けてひいてください」


「うし!」


ライトさんは、何の迷いも無く、もう1枚引く。


「あったりー!」


ニヤニヤしながら、Jを2枚出す。


「うわぁぁぁぁ」


私は、思わず残った2枚を落としてしまった。

頭を抱えて机に突っ伏してしまった。


しまった。もう後がない。


「あのまま提案を受けておけばよかったのにな」


何かがおかしい。なんで、こんな躊躇無く引けるの?

間違えてジョーカーを引いただけで、2000万円よ?

しかも、2回連続で、すぐに引いている。

普通、ちょっとは考えない?


「ほら、早くしろよ。持ち時間1分なんだよ。この状態で、1分なんてことはないだろうな」


横目で、スタッフをにらみつけて、この場合の負債がどうなるのかを確認しようとしている。


「もし、キノコ様がこのままゲームを継続されない場合は、1分ごとの負債はキノコ様に負っていただきますね」


みかねたスタッフが言う。


「うぅ…」


やっぱり、何かあるんだわ。考えなきゃ


ゆっくり…やっとの思いでカードを拾う。












ゆっくり…2枚を広げる。






「ありがとよ!これで、おわりだ!」


勝ち誇ったように、私の手持ちから1枚をさっと引き抜く。


「あっけなかったな!これで、5000万持ち帰れるぜー!」


「ライト様が、ジョーカーを引かれたので、2000万円の負債です」


「え?」


状況を理解していない、ライトさんに、淡々とスタッフが状況を説明する。


確かに、私の手元には、◇Qが1枚残っている。



手札

ライト |♡Q|Joker|負債2000万

キノコ |◇Q|    負債2000万

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