音楽ランキング SSランク編 フジファブリック
フジファブリック SSランク
死ぬまでに聴かないと損する度 100 SSランク
【解説】
音楽ランキング、フジファブリックの解説である。
ナンバガ、フィッシュマンズと並び、その死ぬまでに聴かないと損する度は、堂々のSSランク。
ただし、この評価はフジファブリックのフロントマン、『志村正彦』が在籍した時期に限定される。
その理由は後述するとして、まずは筆者とフジファブリックの出会いについて語りたいと思う。
あまりはっきりとは覚えていないのだが、確かフィッシュマンズを自力で探しだした時と同じように、ネットで評価の高いバンドを探していた時に、その名前を目にしたように思う。
その後ネットで楽曲を耳にして、一発で購入を即決した訳だが、結果としては全く後悔していないどころか、むしろ何故もっと早く知れなかったのか、そのことの方を後悔する結果となった。
以前ナンバガは『剛の音楽』の最高到達地点、フィッシュマンズは『柔の音楽』の最高到達地点と評したが、ではこのフジファブリックはどういうバンドなのかと言われると、そのどちらでもない、むしろその両方の属性を有しているバンドとしか言いようがない。
特異な歌詞を特異なメロディーで描き出す変態性と、どこか温もりと懐かしさを感じる普遍性が同居している、他に類を見ないバンドと言えるだろう。
フジファブリックの音楽を初めて聴いた時、筆者はこんな感覚を覚えた。
一度も聴いたことがないはずなのに、どこか懐かしい、胸を締め付けられるような感覚(かといって、狭心症の疑いはない)。(?)
子供の頃や、故郷を思うような。
知らないはずなのに、何故か初めから知っていたような、そんな不思議な感覚に捉われたのだった。
何故そんな感覚に捉われるのかは、作った志村本人にも分からないのだろうが、ある時期から志村はフジファブリックの音楽に関われなくなってしまった。
冒頭筆者が、志村が在籍していた時期に限定した理由はそこにあり、今のフジファブリックのファンの方には申し訳ないが、筆者にとって志村がいないフジファブリックは、フジファブリックであってフジファブリックではないのである(フジファブリック何回言うねん)。
志村の意志を継いで、フジファブリックという名前を大切にしながら、志村のため、そしてファンのために、バンドを続けていく。
それはフジファブリックを辞めて別のバンドを始めるより過酷な道だと思うし、その道を選んだメンバーを尊敬はする。
志は素晴らしいものだし、共感もするし応援もする。
だが、『志村正彦』という存在は誰がどうやっても埋めきれないほど大きな存在であり、今のフジファブリックを見れば見るほど、その失ってしまったものの大きさを感じざるを得ない。
どこに行っても、どこを探しても志村はいない。
勿論、今のフジファブリックにも。
唯一、志村に会える場所がある。
それは、志村がいた頃のフジファブリックだ。
CDをプレーヤーに入れると、今も変わらない、志村の声が聴こえる。
ずっと変わらずに、志村正彦はそこにいる。
筆者にとって、フジファブリックとは志村正彦の存在そのものであり、志村正彦の生きた証そのものなのだ。
2009年12月24日、クリスマスイヴの日、志村正彦は急逝した。
29歳という、あまりにも早過ぎる別れだった。
フジファブリックとは、音楽ファンにとって宝物のようなバンドである。
志村正彦とは、音楽ファンにとって宝物のような人である。
恋人達が愛を確かめ合う、クリスマスイヴの日。
それは多くの音楽ファンにとって、『志村正彦』の名前、生きた証を思い出す日でもあるのだ。
CDをプレーヤーに入れると、今も変わらない、志村の声が聴こえる。
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