006 憧れの白い帽子

「でか」

思わず声が出た。

小学校のクラブ活動で帰りが遅くなった日。

交差点を曲がる時、塀の上に白い帽子が見えた。

目で追うと、塀よりも背の高い女の人がかぶった帽子だった。

声に気付いたその人は、優しく微笑んで去って行った。

翌日、私を『六尺様』と呼んでいた男子が無残な姿で発見された。

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