第九席になってしまったんですが、誰か説明してください

丸出し

第1話

(ここは…)


(さっきまで自分の部屋で唯一の心の癒しであるラノべを読んでいたはずなんだが…)


気づけば何もない真っ白い部屋にいた。



(ああー、夢か。なんか結構見るんだよなぁ〜こういうどうでもいい夢。

こんなにも意識がはっきりしていることは初めてだが、特にすることもないし、寝るか。)


「ちょっと待ちなさい」


(ん?なんか今、声がした気がしたが、気のせいか?)

声が聞こえた方を見てみると姿が見えないくらい眩しく光る女性?が立っていた。


「いくら夢で見たことがあるとは言え、適応が早すぎませんか?」


(え?誰この人、いつからそこにいたんだ…てか、何してるんだ?)


「私はあなたの世界で言うところの神みたいなものです。」


(うわ、この人自分のこといきなり神様とか言い始めちゃったよ。ちょっと痛い人なのかな?)


「誰が痛い人ですか!」


(いや、あなたが…あれ?おかしいな、今声に出したっけ?)


「声に出していませんよ、心を読んだのです。神様ですから」


(マジか…本当に心の声よんでるよ。さっきめっちゃ失礼なこと思っちゃった。)


「気にしていませんよ、私はとても寛大なので」


姿は見えないがどこか得意げに話してるのが声から伝わってる。


(それで、神様はいったいなんの用事でこんな夢にまで、いらっしゃったのでしょうか?)


「夢ではありませんよ、ここは死後の世界…いわば、天国です。」


(え?)


「混乱するのも無理はありません。ですが、あなたは亡くなってしまったのです。その証拠に声が出せず、体もないでしょう?」


言われて体を確認しようとするが視界から自分の体が見えない。


(そんなはずは、さっきまでラノベを読んで…読んで…あれ?なにを読んでいたかわからなくなってきた。おかしいぞ?まず自分の名前すら思い出せない…)


「きっと死のショックで記憶があやふやになってしまったのでしょう」


(ちなみに僕の死因はなんだったのでしょうか?)


「貴方の死因は……ショック死です…」


(ショック死?僕は何か死んでしまうほどのショックを受けたってことか?)


「……貴方は家にいたGを見てショック死しました。」


(………ださ!!なんだその死に方は!?ダサすぎるぞ!なんだ、Gを見たショック死って。。)


「きっと初めて見たのでしょう」


(そういう問題じゃないわ!)


「私は貴方の死に方があまりにも面白…可哀想だったので、ついつい顔を出してしまいました。」


(おい!今、神様面白いって言いかけたぞ!完全にバカにしてやがる…)


「貴方にはこれから二つの選択肢があります。」


(無視したよ…心の声聞こえてるのに完全にスルーしたよ。)


「一つはこのまま輪廻の輪に戻り全てをリセットして生まれ変わること。そしてもう一つは異世界に転生することです。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る