遣らずの雨

遺産

月時雨

 毎週週末に降っていた雨が止んだの。

 目が痛くなる程に明るい雨上がり空になってた。

 良い天気

 私には関係ないけどね。


 自分の気持ちは自分で取るようにしていたんだけど

 いつの間にか赤の他人の手に取られていたんだ 私の全部。

 悔しくて情けなくて、悲しくて仕方なかったの。



 眠くない深夜三時

 気分が落ちる深夜四時

 咥える煙草に気持ち加えて、煙と一緒に吐いていった朝の五時。

 吐き出せなかった気持ちは肺と一緒に黒くなっちゃった。


 逃げるは恥だが役に立つらしいけど

 恥、かきたくなかったから逃げなかったよ。

 だけど毎回 逃げたらよかった って

 後悔するんだ。

 

 そんな毎日を繰り返していたらね

 いつの間にか、逃げ方を忘れちゃって、

 ただただ自分を殺して生きることが上手な

 つまんない人間になっちゃった。

 

 笑っても泣いても怒っても喜んでも 

 今ある辛い日々は変わんないの。

 そんな現実を知りたくなくて

 目を逸らしていたけどね、

 それじゃダメみたい。


 矛盾した現実と

 黒い明日、先の見えない未来から

 目を逸らさないで、怯えずに

 生きていくしかないらしいよ。


 希望と夢を抱いて生まれてきたのに

 こんな結末、知りたくなかったし感じたくなかったよね。


 焦らないで、

 みんなが必死に生きている心の叫び、封じてるの知っているよ。

 どうか、他人に振り回されずに自分を大切にしてね。

 全部、全部、大丈夫だよ。

 結果、人生の全部どうでも良いからさ。


 

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