結局、最後は自分次第

 近況ノート〔AIにキャラ絵を描かせたら、己の想像力が意外とチープだった件/https://kakuyomu.jp/users/a-yoshimura/news/16818622173746955604〕に書いた通り、AIお絵描きが楽しくて色々描かせている。

 厳密にいうとこっちは「描きたいものを事細かに描写している」状態なので、絵を描いているというより、描写の練習をしているだけのような…。しかもこれがまたツマラン練習で、具体的に箇条書きにした方が先方AIには理解しやすいようで、“猛禽類を思わせる”とかウッカリ比喩表現にすると鳥人間を出してきてこちらの精神を発狂させかねないため、“鷲鼻気味の”などと「そこまで言わなきゃわかんないの」みたいにムードもへったくれもない指示をしないとならないのが、かえって文章力を減退させているような気がしないでもない。いっそのこと視覚野とAIを接続して、脳内の映像をそのまま伝達できるようにならんかな。そしたらかなり時間短縮できるのに。


 それでも、若い女性と高齢男性の顔貌については私などより一日の長があるようで、人種や肌色の指定をすると割とイメージ通りのものを出してくる。


 問題は、容貌以外の要素にある。

 ちょっとメインストリームから外れた人物を描かせると途端にアニメ調になるため、これはファンタジーが苦手なのではないかと推測し、人物ではなく、現実の建築様式を指定して背景を描かせてみたら、「何じゃこのお菓子な家は?」〔*〕になったし、家の飾りつけを頼んだら、ゴシック・リバイバルの邸宅マンションが、住人の正気とセンスが疑われるようなデコレーションで覆われた。無料タダだし実害はないからいいようなものの、私が雇い主なら提案書を見た瞬間にクビにしているところだ。

 さらに、服装を指示したら「この職種の人はそんな服は着ないよ」というものが出てきた。


 服については、職種に加えて色と種類まで指定したらそれなりに見られるものが出てきたので、資料がなくて作成できない、というわけではなさそうだが…〔 **〕。


 しかし、最初に出てきたモノは明らかに間違っていた。

「イメージに合わない」なら作り直せばいいのだが、「間違っているのに気付かない」まま画像が広まったらと思うと怖くなった。

 実際、AIで作ったテキストの内容はどう見てもジョークなのに、さも学問的事実のように表示されているのを読んで、笑った後にゾッとした。

 今は笑い話ですむけれど、これを本当だと信じる人が増えていったら…。十年後には都市伝説、百年後には神話になっていてもおかしくない。

 神話くらいならまだいいが、科学的事実と混同されたら、人類の進歩どころか中世へ逆戻りだ。


 画像生成だって、「自分がよく知っている事柄」だったから間違いに気付けたけれど、「よく知らないから代わりにやってもらおう♪」で出てきたものが全くの創作ウソだったら…。


 …結局。人間が労力を省こうと思ってAIを使っても、AIが出してきたモノが間違っていないかチェックするのは(まだまだ)人間自分頼みなのだ。

 …ってことは、書(描)き手がAI使ってラクしようとしても、その前にファクトチェックに必要な最低限の知識を仕入れインプットしとかなきゃならないのは、AI誕生以前と変わっていないし、それは読み手の側も同じってことだ。AI誕生以前よりはるかに、求められる知識の量は多くなっているのに!

 …あれ? それってちっともラクになってなくない?



 * 誤字ではない。ロココ様式の建築を依頼したら、マジパンと生クリームでできているようなヤツが、ジオラマみたいな幾何学式庭園と一緒に表示された。ちょっとでもマトモに見えるのは庭だけである。


 ** 何を創ってもらったのかというと、「カトリックの司教」である。

 聖公会と取り違えられては困るので宗派まで指定したのに(笑)、ありえない色の服を着せてきた。

 しかし、同じ文に「黒の」! 「司祭服を着た」! と追加したところ、ちゃんと黒い司祭服カソック小型球帽カロッタをかぶっている画像を生成。さらに、何も指示していないのに、ボタンと縁取りを赤紫色にしてきたのが心憎い…!

 とはいえ、それよりはるかに資料があるハズの軍服ミリタリー・ユニフォームについては、国と時代と兵科をちゃんと記載しても、思いっきり“ナンチャッテ”しか出してこなかったので、こりゃまだ私の方が一日どころか千日くらいマシである。



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