世にも怠惰な悪役〜前世の記憶を思い出して、自分が悪役で殺されると知ったけど面倒だから別に殺されても良くね?〜
ちーずけーき
第1話プロローグ
――第一話――
「ふわ〜あ」
ディザスター公爵家の長男であるラファエル・ディザスターは怠そうな欠伸をし両手には30cm程のやや大きい二本の食事用ナイフを持って怪しい実験室に入る
実験室には黒い物体や手や目がくり抜かれた死体、キメラがカプセルの中に大量に入っていた
ラファエルは一番奥の部屋の前で止まりガチャリとノブを捻り扉を開けた
「魔王様、仕事、終わったよぉ。次は何をすれば良い?」
この世界は人間と魔族で争っていたが、彼ラファエル・ディザスターは圧倒的魔族派なのだ
彼は怠惰でやる気こそ無いが生まれ持った魔法の才とずば抜けた身体能力だけで魔王軍四天王まで上り詰めた男だ
実際、彼はありとあらゆる物に恵まれすぎた
外見も金髪金目の正に神話から出てきた神の如く美しい
身分にも恵まれた彼には恵まれなかったものがあった
そう、性格だ
彼の性格はナマケモノである
だからやりたくないものはやらないし、非常にぐーだらしているのである
が、実力は四天王最強とも言われるほどあるので唯一自由行動が許されている
「おや?ラファエル、もう仕事が終わったかい?君の前世に当たる記憶では君が悪役で今回で殺されるはずだったけど?」
「僕、他人の意思に従うような純粋だと思います?」
「違うな」
ラファエルは魔王と呼ばれた男と気さくに話す
この会話から聞き取れるにそう、ラファエルには前世がある
しかもこの世界が彼の前世でやっていたゲームの中の世界であることも
だがラファエルは一切その様なことを気にしてない
彼には自分が死ぬ未来があろうとも今が楽しければそれで良いのだ
世にも怠惰な悪役〜前世の記憶を思い出して、自分が悪役で殺されると知ったけど面倒だから別に殺されても良くね?〜 ちーずけーき @04110411
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