第3話 中学生のあたし。

 中学生になって、また現れたチャンスの神様は

 やっぱりツルッツルでピッカピカで

 でも、どうにかして捕まえようと

 お相撲さんばりに、がっぷり四つに組みついたら

 テカテカのオイルに塗れていて

 ウナギのごとく、ヌルリと滑って逃げていってしまった。

 あたしは腰を抜かして、呆然と駆けていく後ろ姿を見送った。


 ――翌日。


 大雪で混雑した駅の階段から転げ落ち

 骨折して第一志望の高校受験に間に合わず

 片思いをしていたケイイチくんと別々の学校に通うことになった。

 残念。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る