和の心、季節に寄せて ~雨~

雨(梅雨から夏)

梅雨入りか窓から伸びる手しなやか


梅雨最中さなか窓打つ音に目が覚めて


梅雨の朝傘の花咲く通学路


ふたりきり卯の花くたし居残りは


降りしきる半夏雨はんげあめため息太く


君がこひ長梅雨こもるじめじめと


梅雨の月雲のまにまにぼんやりと


君が指す別れ惜しんだ梅雨の星


東屋あずまやに一人たたずむにわか雨


驟雨しゅううなり逃げ込む店のひと時も


夕立や急ぎバス停傘二つ


白雨はくうかな改札口に待ちぼうけ


虹を追う吾子あこに微笑む雨上がり


瑞雨ずいう受けはしゃぐおまえはわんこなり


喜雨きうなればそれも風情と旅の宿


夏祭り走り去るの通り雨


雨傘に隠した夏の恋みくじ


村雨むらさめか駆け込む先に想い人


にわか雨相合傘の回り道


雷とあなた袖ひく雨宿り

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