平凡な俺が魔王城の主になりました
蓼虫
プロローグ
他人(ひと)より何か秀でたものなんて俺にはない。
だからこそ、ゲームのランキングで上位に食い込むことが嬉しかった。
「お、リリースされたみたいだな」
広告をみて気になっていたタワーディフェンスゲーム。
ようやく配信が開始するようで、その旨を伝える通知がスマホに届いた。俺は早速そのゲームをインストールし始める。ものの数秒でインストールが完了し、ホームに新しく追加されたアイコンをタップしてゲームを開いた。
愉快なBGMが流れ、チュートリアル開始前の前振りが始まる。
「あー、こういう感じなのね」
前振りの内容を簡単にまとめると、主人公がテイマーとして冒険を謳歌していたら突然冒険者組合を解雇されてしまう。仕方がないのでテイムした魔物達と共に小さな家で暮らすことにしたのだが、いつの間にか冒険者組合に住まいを魔王城として認識されてしまい、侵略にあう……というありきたりな展開だ。
チュートリアルが始まり、侵略してくる冒険者たちを撃退するため、テイムしている魔物を召喚していく。最初に召喚出来るのはスライムのみ。スライムが冒険者を倒す度にコインが排出されていき、ある程度コインがたまると次の魔物が召喚出来るようになる。
「へえ……」
案外、冒険者達が手強く、配置する魔物をステージごとに変える必要があるようだ。
色々と試行錯誤しながらステージを進めていく。どれぐらい経ったのだろう、ふいに窓の外をみた。気がつけば薄っすらと空が明るみはじめている。
「こういう系ってシンプルだけど時間泥棒なんだよな……」
少しだけでも寝ないと仕事に響く。
俺は後ろ髪をひかれながらも目を閉じ、意識を手放した。
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