ミンティアを惜しみなくくれる人

 僕が訪れたのは、いい人すぎるよ展という謎のイベントだ。


YouTubeのコメント欄に歌詞を書いている人。


待っている車のために信号を小走りで渡る人。


違うテーブルにケーキが運ばれてきた時に、小さく拍手する人。


ミンティアを惜しみなくくれる人。

 

 などなど、日常に潜む「いい人」が大喜利の回答形式で壁一面に羅列されている。

 

 クスクス笑いながら眺めていると「これ俺のことだわ」と呟く声が聞こえた。


 僕は思ってしまった。それって自分から言わない方が良くないか。言いたい気持ちはわかるが、他人から言われて初めて成立するものなんじゃないか。


 少なくとも、かっこいい人ではなさそうだ。


 そして、そんなことを考えている僕は絶対に「いい人」ではない。


 気を取り直して、隣のブースに移動する。

 ここでは、自分が見つけた「いい人」を付箋に書いて貼れるらしい。


遅刻しても笑って許してくれる人。

 

ある程度、叱ってくれる〇〇さん。


いい人すぎるよ展を始めてくれた人。


 貼られた付箋の数だけ日常には「いい人」がいて、それに気づいている人がいる。僕がまだ出会っていない「いい人」もたくさんいることがわかる。


 いい人すぎるよ展、本当に素敵な空間だ。

 

 もし機会があったら行ってみて下さい。


僕の拙い文章を読んでくれた人。

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