16.親友3(夕立)

引き続き亮視点になります。

前回と合わせて、とにかく塁が可愛く思えるように書いてるつもりです。

皆さんには是非、塁を好きになって下さい。


R-15な表現があります

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RYO View


デートの帰り途中、駅を降りて家まで後数分のところで突然の大雨。

猛烈な勢いの雨足で直ぐに俺達はびしょ濡れになった。

ふと隣を見ると白いブラウスが体にぺったりとくっつき透けてしまって薄水色と思われるブラがハッキリ見えている。うーん、デカい、じゃなくて!

すぐに繋いでいた手を離し、ジャケットを塁の頭に被せる。


「コレ被ってろ!」

「亮も濡れるだろ、いいのか?」

「俺は大丈夫だ、それにブラウスが透けてるから、それを隠す為でもある」

「―――!?」


塁は気付いてなかったようで、言われて直ぐに自分の胸元を見てジャケットで隠した。


「亮、ありがとう、全然気付かなかった!」

「人が少なかったのが幸いして多分見られてないと思う、俺以外には」

「うーん、まあ、助けてもらったからしょうがないか」

「とりあえず、出来るだけ急いで家まで戻るぞ!転ばないように注意しろよ」

「分かった、気にせず走ってくれ」


気にせずって言われてもそりゃ無理だ、今日はヒールが低いとはいえ慣れないパンプスを履いているのだから走るのは相当無理をするだろう、俺が合わせなければ、置いて行くわけには行かない。


やはりジャケットを被りながらの慣れないパンプスで走るのは無理があるようで、何度か転びそうになるのを支えてあげて、家に着いた。


「完全に下着までぐしょ濡れだな…」

「オレもだ、あーあ」

「塁、それじゃ後で」

「分かった、一旦着替えてからだな」


塁は自宅に俺はその隣の自宅に戻っていった。

が、しかし、家の鍵が空いていない、どうせ誰か居るだろうと高を括って鍵を持ち出していなかったのだ。

まさか誰もいないとは、玄関前にいてもどんどん濡れるだけだ、しかたがないので塁宅で一旦休ませてもらおう。


ピンポーンとチャイムを押しても反応無し、ずぶ濡れで待つ余裕も無いので俺は玄関の扉を開けてみると開いた、玄関に入って塁に声を掛けた。


「おーい、塁ー、お邪魔するぞー」

「おー」


何処からか分からないが返事がしたみたいで靴を脱いで上がっていった。

声の方向からするとリビングだろうか、ちょっと声が籠もってて分かりにくかった。



脱衣所の扉を開けて、目の前に広がった光景、それは。

ブラウスとスカートを脱ぎ捨て、ブラを外して今まさにパンツを脱ごうとしていた塁だった。


お互いが硬直していた、何が起きたのか把握出来なかった。

だが俺はラッキースケベ時にいつまでも惚けている鈍感系ED主人公じゃない!

即座に正気を取り戻し、本日2度目の、いや前回を上回る、全身全霊を持って全力全開で魂ごとぶつける勢いで網膜と脳の皺一つ一つに至るまで全てを記録と記憶した。


知っていたがバスト93E70のおっぱいはデカい、しかし数字より実物のほうがはるかに迫力がある、そして染みもホクロも無さそうだ、さらにその頂点に鎮座する綺麗な桜色とのコントラストは肌の白さと相まってメチャクチャエロいのに綺麗だ、そして乳輪は大きめ(目視だと直径6センチくらい?)なのに乳首は小さいように見える、申し訳ないが俺の理想のおっぱいだ、もしかして塁は俺の妄想が生み出した生物なのでは?などと思ってしまう、余りにも俺好みすぎる。

服の上からでなく実際に見た腕や太ももも白くて綺麗、お腹と腰もしっかり絞まっていて、両手で掴みたいすぎる、えっちすぎるとはこの事か。

金髪の濡れ髪がさらに妖艶さを引き立てている、塁はサキュバスか何かか?

少しだけ下げたパンツはギリギリ大事なところは見えていない、もう少し、あと数秒開けるのが遅ければ、俺の馬鹿!


少し遅れて正気を取り戻したらしい塁は、声にならない声を上げ、その場にうずくまった。


「ご、ごめん!てっきりリビングにいると勘違いしてた」

「ば!ばっかやろー!だからって脱衣所くるか普通!?」

「いや濡れたままで歩き回れないだろ」


そんなやり取りをしながらも視線は逸らさない、逸らせるはずがない、コレは俺の意思とは無関係なんだ!相変わらず全力で記憶と記録しているが、これは俺の意思じゃない。

そして俺の俺はいつの間にか臨戦態勢になっていた。ズボンの下から痛いほどに押し上げてくる、俺の意思じゃない。


「そこにバスタオル有るから!それもってそこで体拭いてろ!」

「え?ここで?いいのか?」

「違う!扉の前でだ!馬鹿!」


俺はバスタオルが重ねて置いてあるカゴの前まで行き、バスタオルを取った。


「ごめんな、本当に覗くつもりじゃなかったんだ」

「いいから早くいけ!アホ!」


脱衣所から出て、扉の前でびしょ濡れになった服を脱ぎ、下着も全部脱いだ。

脱衣所に向かって声を掛ける


「塁ー?脱いだ服どうしたらいいー?後なんか着るもの貸してくれ」


「―――其処置いておいてくれ、後から乾かすから、あー後、着替え持ってきてなかったからオレの部屋行って、Tシャツと…し、…した、下着とブラ持ってきてくれ、ついでに適当に着てくれて良い、まだ男物のトランクスならあるはずだ、今から一旦シャワー浴びるから、覗くなよ!」

「大丈夫だ、俺は下着にはあまり興味が無い、分かった、服借りるぞ、それとTシャツと下着だな」


そういう事で俺は全裸で塁宅を歩き回る事になってしまった。

今人が来たら変態間違いなしだな、念のために鍵掛けておこう。


さて塁の部屋に入ったが全身で塁の匂いを感じてしまう、良い匂いだ、俺は特に変な事はせず、素直にタンスを漁る事に。いや女の子のタンスを全裸で漁るのはすでに問題行動な気がするが。

本人了承済みだから問題ないとはいえ、かなりの緊張感だ、上に下着か下に下着のどちらに収納が多いんだろうな、俺は上派なんだけど。

という訳で最上段を開けて見た、どうやら俺と同じ上派だったようだ。


小さいパンツがさらに小さく畳まれている、幸い俺はパンツに興味が少ないから平気だ。

―――いや、正直に言おう、塁の下着は別だった、今気付いた。

またも臨戦態勢に入る俺、努めて冷静に、それだけはダメだと言い聞かせて、俺を見ないふりした。


下着は申し訳ないが適当に選んだ、ただし白系で、ブラも適当に白系を選んだ、白系好きなんだよ。トランクスは大きめサイズを選んだ、流石にトランクスには興奮しなかった、良かった。

あとはTシャツだけど、これは俺も着るから大きめのやつがないかと探したが、どれも男時代のやつでサイズは同じっぽかった。

適当に2着選んで俺は直ぐにトランクスとTシャツを着た。

ズボンは…まあいいか、塁もよくトランクスとTシャツだけで過ごしていたし、乾くまでの辛抱だ。


脱衣所の前まで来ると俺の服が無くなっていた、塁が回収したのだろう。


「塁ー?いるかー?」


返事が無い、多分まだシャワーを浴びているんだろう、今のうちに着替えを置いておくか。

脱衣所の扉をガチャリと開け、そこに人がいない事を確認し、着替え置き場っぽい所に着替えを置いた。


「亮、そこにいるのか?」

「―――ああ、着替えをここに置いておくぞ」

「さんきゅー、覗くなよ」

「分かってるって」


浴室の扉には近寄ってないから信じてもらえたのだろうか。

脱衣所から退散して、リビングでくつろぐ。


「塁んちのリビングも久しぶりだな…」


雨は小雨に変わったようだがまだ止んではいない。

特にする事もなく、無事だったスマホで時間を潰していると、ドライヤーの音が聞こえてきた、もう少しかかるようだ。


キッチンを見ると、お弁当を作った形跡が残っている、全て片付ける暇は無かったんだろう


「まあ、あれだけの力作だったからな…」


俺はあらためて今日を振り返り感慨にふけっていた。


「今日はとても良い日だった、塁の表情は沢山見られるし、手作り弁当も食べられるし、ラッキーな事が何度も起きるし。

まさかおかずがその日のうちに大幅に更新されるなんて思わなかった」


いかんいかん、あまりの衝撃にすぐに臨戦態勢に入りそうになる。今は一旦置いておこう。


そんな感じで暫くぼんやりしていると塁がリビングに現れた。


「お待たせ、服が乾くにはもう少し時間がかかると思うけど。」

「一応謝っとくよ、脱衣所入っちゃってゴメン、実は鍵を忘れてて、しかも家にも誰もいなくて困ってたんだ」

「一応かよ、まあオレもちゃんと言わなかったのは悪かったかも知れないけどさ、でも鍵は常に持ち歩いとけよな」

「いつも大体だれか居るもんだから、つい、な」

「全く」


Tシャツと下着だけっぽい格好だ、太ももがやけにエロく感じる。

なんで部屋に戻って着替えてないのか分からんけど。


「お?下が気になるか?亮が持ってきた服しか着てないよ、エロいだろ?

下着には興味がないらしいからな、この格好でも大丈夫だろ、少しくらいならまあ、サ、サービスだ」


すまん、さっきはそう言ったけど塁の下着はめっちゃ興味ある事が分かってしまった。騙すような形になってゴメン。

だが信じてくれてるならそれを演じるしかない、俺は下着に興味ない俺は下着に興味ない俺は…。

よし!


「俺もトランクスだけで下には何も履いてないけど別にいいよな?塁も前はこんな格好だったし」

「―――ん!、――あ、ああ、いいよ、オレもそうだったしな」


目を逸らす塁、もしかして意識してるのか。


「それにしても、最後はこんなになっちゃったけど、今日は楽しかった、塁の手作りお弁当は美味しかったし、とても嬉しかった。水族館も悪くなかった」

「そうだなー、苦労したかいが有ったな、マヤさんにはお礼行っとかなきゃ、それに亮が喜んでくれてオレも嬉しいよ」


最後に近づきたいと思った。


「なあ、服が乾くまで手を繋いでていいか?」

「―――しょ、しょうがないな、いいよ」


俺は隣に座り、恋人繋ぎをした。

幸せだ、塁とずっと手を繋いでいたいと思うほどに。


「お前、ほんと恋人繋ぎ好きだよな」

「そりゃそうだ、これが許された範囲で一番密着できる繋ぎ方だからな、塁は嫌いか?嫌なら普通に―――」

「いやいい!このままで良い、オレもこれが好きだし…」


はー可愛すぎか?

手を繋ぐ事に関しては、こちらが引こうとすると直ぐに飛びつくな。

もう一歩踏み込んでみるか。


「なあ」

「ん?―――キスはダメだぞ」

「分かってるって、キスはしない、でもハグはしてもいいか?」

「―――流れでキスとか絶対にダメだからな、絶交だぞ!」

「じゃあハグするからな」

「…ん…分かった…」


俺は手を離し、座ったままの体制で塁を抱きしめた。

塁は少し固まっていたけど、少ししてから背中に手を回してきた。


ちなみに俺にとってハグは奈江と母さんにもよくやっているので心理的ハードルは低い。

一般的にはどの程度なのだろうか、まあどうでもいいか。


俺はシスコンでマザコンでもあるのだ、あんなにも美人なんだから仕方がない、授業参観でクラスメイトの母親を見て心底ガッカリしたものだ、だが1番は塁だ。


塁の首筋からの良い匂いでクラクラする、このまま舐めたくなる衝動を理性で抑える。

おっぱいが俺の胸板に当っている、柔らかくて…ん?もしかしてブラをしてないのか?とても柔らかく、抱きしめる力を強くすると面白いように潰れ形を変える。

背中に回した手には塁の体温が感じられ、これも柔らかくずっと抱きしめていたい。


塁に耳を済ますと、首元でスンスンと匂いを嗅いでいるような気がする、また、おっぱいで俺の胸板を感じてくれているのだろうか、抱きしめる力を強めなくても押し当ててくる。

俺の背中の手も蠢いていて、背中の感触を楽しんでいるかのようだ。


―――暫くして


「な、なあ、立ってハグしちゃダメか?」


なんて言ってくる、もっと密着したいのだろうか。

申し訳ないがとっくに臨戦態勢になっているのでより密着する事は無理だ、多分暴発する。


「いや、そうしたいのは山々なんだけど、ちょっとな…勃起しちゃってて…」


正直に話す、塁なら分かってくれるだろう。


「え?まじか、まじかー?いやー?どうしたものか、一旦離れていい?」

「いいけど」


少し離れてマジマジ見られる、恥ずかしいが仕方がない。

てかそっちからだとトランクスの隙間から見えてない?


「…コホン!―――うーん、やっぱまだ無理!座ったままでのハグでお願いします、でもこのままで辛くない?」

「辛い、でも大丈夫、気遣いが嬉しいよ」


そうした至福の時間が過ぎ去り、服が乾いた。乾いても暫くハグしっぱなしだったけど。

ただ、同時に地獄の時間でもあった、塁の気遣いが無ければどうなっていたか分からない、いや、耐えられなかっただろう、塁は俺を信じてくれたのだ、応えなければ、俺がんばった。


「やばいね、コレ、凄い充実感がある」

「うん、なんか距離近く感じるし、相手の鼓動が聞こえるのがいいな」

「亮の声が耳元で聞こえるのヤバいわ、ASMRだっけ、そういうのにハマる気持ちも分かる」

「確かに、あれは普段体験出来ないからな、またやりたい」

「んー、まー、気分が乗ったらね、今回は特別って事で」

「手を繋ぐのと違って何処でも出来る訳じゃないからしょうが無いな」


着替えて2人で俺の家に向かったけど、俺はすぐ自室に鍵を掛けて閉じ籠もった。

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