TSしたらTSっ娘(母)を持つ親友に告白されました
エイジアモン
1.変化と目覚め
朝日がカーテンの隙間から差し込み瞼にかかる、あまりの眩しさに目を強く瞑り顔を逸し、日の光から逃げる動きをした所で目が覚めた。
まだ少し目がチカチカするような気がする、あんまり良くない目覚めだ。
オレの名前は瀬名 塁(せな るい)、高校2年の男子高校生。
今は4月の終盤で来週末からゴールデンウィークとなる。
今日は土曜日なのでゆっくり寝ていたかったけど、折角だから起きて朝食でも食べようかと体を起こすと違和感が。
周りを見渡すと体を起こした時の視点が少し低い気がするし、他にも全体的にベッドも部屋も少し広く、大きくなったような気がする。
ふと両手を見てみるとなんだか細くて白い……んんー??
もう少し下を見ると、あれこれは…胸というかおっぱい?
「えっ??」
声を発して気づく、明らかに普段とは違う高い声。
「えっ!? へっ!? え!!??」
軽いパニックになり自分の体を見回すとダボダボだけど寝る前に着ていたTシャツと大きめのトランクス(下着は緩いほうが好みなのだ)を着てはいるが、体は女の子っぽい。
白くてきめ細やかな肌、細い腕と足、髪は肩下ぐらいまでの……金髪!?
元々はきれいな黒髪だったはずだ、それを言ったらそもそも男の体のはずなんだけど。
胸は巨乳って程じゃないけど十分に大きくて、Tシャツの上から除くと桜色の突起と少し大きめの乳輪が見えた。
股間はというと有った物を確認できず、ショックが大きくてそれ以上は確認できていない。
「はぁ。 オレ女の子になってるのか……?」
ショックを引きずりつつ起き上がり、部屋の姿見に自分の姿を映してみると、そこには金髪碧眼のめちゃくちゃ可愛い美少女の姿が映っていた。心臓が跳ね上がる、ドキドキが止まらない。
それを自分だと自覚するのに少しの時間が必要だった。
5分ほどして落ち着いてくると自分の姿をしっかり確認したい気持ちが湧いてきた、いや男だからね、美少女の裸に興味を持つのは当たり前だよね。と自分に言い訳しつつTシャツを捲り腕を上げた際に鏡を見るとメッチャエロくてびっくり、何この美少女!脇毛も生えてないし完璧か!?
そのままトランクスも脱いで股間もしっかり見た、凝視した、少しの金毛が生えていた。
金色だとぱっと見生えてないように見えるのな。
腕や足などにムダ毛や産毛もほとんど生えてない、何この理想的な体毛
金毛じゃなかったのはすこし茶色がかった色合いの眉毛くらいか。
見た目年齢は元と変わらず16くらいだろうか、身長は元は176だったから大体20センチ下がった感じで150後半くらいかな。
そんな事をしていると催してきたのでトイレに駆け込んで済ました、ティッシュで拭かないと駄目だなこれは、なんて思いながら。
座って落ち着いていると実感が出てきて
「TS症になっちゃったかあ……」
はぁ~~ッとため息がでる。
この世界では20年ほど前に世界同時多発的に、男性が女性に女性が男性にと一晩で変わるという症状が発生した。主に先進国で発症者が現れ、男性:女性での発症割合が9:1。
現在の日本だと5000人に一人、大体3万人くらい発症者がいるという事。
ちなみに発症者の性別が戻った事は確認されておらず、発症すれば戻れない。
そしてTS症発症者の子供には現在のところTS発症者はいない。
上記とその後の研究で出た現在の見解として
性別は戻らない、子供には遺伝や発症しない、他人に感染しない、以上の事は伝えられてTS症そのものに対する差別は表向きには存在しない。
「人生設計が狂っちゃった!」
今までそんな事を考えた事も無いくせに口にしてみると、色々と不安になってくる。
男として今まで生きてきた上でこれから女の子として生きていく事。
今までの人間関係を続けられるかと、新たな人間関係の構築。
他にも言葉にできない不安がどんどん押し寄せてくる。
オレの家は母が中1の時に病気で亡くなり、男親だけで育てられてきた。
その父も去年から単身赴任で偶にしか帰ってこず、実質一人暮らしみたいなものだ。
お隣さんにオレの同級生の幼なじみが居て、その関係で家族ぐるみでの付き合いがあるためそこまで心配はしていないらしい。息子をよろしくお願いします、とか言っていた。
その幼なじみというのは親友の上野 亮(うえの りょう)、幼稚園時代からの付き合いで高校まで同じという、人生でここまでの親友はもう出来ないと自信をもって言える奴だ。
という訳でトイレから出て部屋に戻って、亮に相談する事にした、亮に相談すれば亮の家族にも話をしてくれてマヤさんにも相談しやすくしてくれるはずだ。
マヤさんというのは亮の母親でとても美人で優しいママさんだ、かなり好きな人だ。
Tシャツとトランクスを着なおし、ベッドに腰掛けてスマホで亮に電話を掛ける…
プルルル…と呼び出し音が鳴っている最中にある事に気づき、電話を切った。
今は女の子の声だ、これでオレだと言っても信じて貰えないだろう。
電話を掛けるのを止めてメッセージを送る事にした。
「大変な事が起きた、すぐ来てくれ!と・・・」
すぐに亮から電話が掛かってきたがこれはすぐに切った、まず会ってから話をしたいからね。
あらためてすぐに来るようにメッセージを送ると、亮から「分かった、すぐに行く」と返ってきた。
話が早くて助かる、ここで何度も電話をかけてくるようだと本当に面倒くさい事になってた。
直ぐにインターホンからピンポーンと鳴り、亮が来たのを確認して玄関の鍵を開けドアを開ける。
どういう反応するかドキドキと緊張しながら
「いらっしゃい、亮!大変な事になった!」
声をかけつつ家に招き入れようとしたが、亮はオレの姿を見て硬直していた。
「何固まってんだよ、まずは早く中に入れよ」
亮の手を引き、無理やり玄関に入れて鍵を締めた。
玄関であらためて
「亮、いらっしゃい。オレ、塁なんだけど分かるか?」
「……お前、本当に塁なのか?」
亮はオレの頭の先から足元までじっくりと見、観察しているようだった。
少し恥ずかしいんだけど。
「ちょちょ!あんまりじっくり見んなよ!」
何故かパントマイムのように手を体の前で動かしてしてしまうオレ。
「わずかに塁の面影が残っている気がする…」
顎に手を当ててオレの顔を見た後、あらためて全身を見ていた。
「確かに普通の女の子ならそんな格好はしないだろうし、塁だな」
流石幼なじみで親友だ、分かってくれたか、しかしそう言われて自分の格好を思い出す。
Tシャツはまあいいだろう、問題は下着だ、トランクスだ。
確かにそんな格好で男の前に出る女の子はいないか、いても極少数だと断言できる、しかしだ。
「何言ってんだよ、いつも起きた時はこんな格好だろ」
「まあそうだけどな…」
「塁だって分かってもらえたなら、今後について相談したいから部屋に来てくれ」
オレは先行して階段を上り始めたが、亮はジッとオレを見ながら何か考え事をしているようだった。
部屋に戻り椅子に座って亮を待っていたが中々部屋に入ってこないので声を掛ける。
「りょう~、どうした~?」
少しして亮が部屋に入ってきたがまだ考え事をしているようだった。
亮は考え事をしている時は右手を顎に、左手は右手の肘をささえるポーズをするのだ。
考え事をしている亮を椅子に座ったまま眺めていたら、ポーズを解き表情が変わった。何か決めたようだ。
少しの緊張と決意を見せる表情をしながら亮はオレの前に立った。
何事かという思いとは別に、少しのときめきを感じたような気がする。亮に?まじで?
亮はおもむろに言葉を発した。
「塁、お前の事が好きだ!恋人になってくれ!」
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