では、前回に引き続き、今回はこちら。

・松本は何故すぐに記者会見を開かなかったのか？

勿論吉本に止められたという可能性もあるのかもしれないが、これには松本の生まれもっての『性質』というものが起因しているように筆者には思えた。

その『性質』とは何ぞや？というと、それは松本は本来は『人前にガンガン自分から出ていくキャラ』ではなく、例えば『教室の隅っこでボソッとセンスの良い一言を放って笑いを取る』ような『性質』の人間ということ。（むしろ人前に出ることを恥ずかしがるという感性を笑いにするような人間）

テレビで堂々と喋って笑いを取る松本の姿のみを見ている方には、えっ、そんなことないでしょ？松ちゃんって陽キャじゃないの？と思われる向きもあるかもしれないが、あれは『テレビ用に作られたキャラ』であって、本来の松本は非常にシャイな性格であり、それこそ『島田紳助』や『明石家さんま』のようにどんな状況でも自分の喋りを発揮できるというタイプではない。

松本の喋りは、例えば幼なじみの高須や浜田であるとか慣れ親しんだ友人が傍にいるとか、周りに後輩やタレントを用意して『自分の敵でないことが確定している状況』、きちんと用意された『ホーム』がないとその力を発揮できないのではないかと思う。

昔からずっと松本を見てきた筆者としては、『記者会見』のように周り全員敵で『アウェー』という状況でも、平気で自分の喋りができるようなタイプではないというか、そこまでのメンタルの強さはないのではないか？と思えるのだ。

前述のように、松本はいわゆるクラスの中心で笑いを取るような陽キャではなく、クラスの隅で数人の気の置けない笑いのセンスのあるやつで集まって、その中で鋭い観点を発揮して笑いを取るといったタイプであるため、元々が目立つことを恥ずかしいと思うタイプなのである。

本来は非常に引っ込み思案で恥ずかしがりやな性格であり（なら何故あんなに人前でコントを披露したりトークできてるの？と思う向きもあるかもしれないが、あれは『松本人志』という芸能人、キャラに憑依してやっていることで、『人間』としての松本自身は非常にシャイで打たれ弱いということ）、記者会見などすればそこの非常に打たれ弱い点が世間や後輩に露呈してしまうため、会見ができない、というかしたくなかったのもあるのではないかと感じる。

こう考えていくと、活動休止前最後の場所に『ワイドナショー』という『ホーム』を選んだ理由が分かった気がするのだが、周り全員が記者のツッコミという『アウェー』の状況では、シャイで人見知りな松本は上手くアドリブで喋れないことを自覚している証拠なのではないだろうかと、筆者には思える。

なにしろ、放送室でのトークを聴く限りでは、伝説の教師の撮影の際に囲まれた高校生たちにも緊張してアガっていたというのだから、松本が『素』になると相当な恥ずかしがりやであることは間違いないだろう。

無論、そういう性質はあるとはいっても、これまで生き馬の目を抜く芸能界をトークで生き抜いてきた男である。本気で記者会見しようと思えばある一定以上のレベルには喋れるとは思うが、そもそも初めから恥をかきたくないという意識が強いと思うし、なんでそこまでして説明せなあかんねんと、そこまでのリスクを冒して記者会見をしたいとも思っていないように見える。（だからこその、人前に出なくていいツイッターでの反論だったのではないだろうか。また、そこまで強く芸能界にしがみつきたいと思っていないという可能性もあるかもしれない。その点で松本が心配していることがあるとすれば、相方の浜田のためにまだ芸能界は辞められないということか）

もし松本が記者会見に出たと仮定して、どれだけ汗をかきまくってアップアップになってグダグダになるかを筆者の中で予想すると、例えば闇営業の時の後輩の宮迫より理路整然と喋れないのではないかと思う。

その点宮迫の方が鉄面皮というかポーカーフェイスというか、ハートは強いように見える。宮迫は芝居の方もやっていたため記者会見でも芝居がかっているように見えたし、そういう仮面を自分の顔に被れば堂々と話せるという向きはあるかもしれない。

それに対し松本は芝居をしている自分を恥ずかしいと思う人間で、『うわ～、芝居してるでぇ～』というのをネタにしていくタイプのため、記者会見のような場には弱いと思う。さすがに亮程度には喋れるとは思うが、松本ほどの人間が世間や後輩にそのような醜態をさらすのは、なによりプライドが許さないのではないだろうか。（また、これまでが遊んできても大きな問題にならなかったため、今回もすぐに風化するやろと高をくくっていた可能性もある）

筆者の中での『周り全員アウェーの記者会見で喋れる度ランキング』を作ると、大体次のような感じになる。

①島田紳助

②ビートたけし

③宮迫博之

④松本人志　田村亮

次点　渡部建　狩野英孝　ＴＫＯ　（？？？？）

まあ後半は不祥事があった芸能人出してるだけやんという向きもあるかもしれないが（？）、一つ思い出した話があったので最後に。

初めの『違和感』の話で、何故不特定多数の女性を飲み会に呼ぶのか？と疑問を呈した。

それで思い出したのだが、松本は以前放送室というラジオで、『二組のカップルがおったら二通りの恋愛があると思うやろ？ちゃうねん、四通りの恋愛があんねん』という名言を残していたのである。（つまり人間はそれぞれが別個の意思を持った生き物で、四人いれば四者四様の考え方があるということ）

人間はそれぞれが別個の意思を持った生き物、つまり、不特定多数の女性を相手にすればするほどそれだけリスクは増えることに、自分で言っておきながら気付かなかったのだろうか？と、筆者は感じたのだ。

松本自身の発言で行けば、飲み会からのなんやかんやは松本一人の意思で進むものではなく、その不特定多数の女性全員の意思が絡むものであり、それがどれだけ大きなリスクか予見できなかった（舐めていた）からこそ、現状のような苦境に追い込まれているのではないか。

また、人間は『別個の意思を持った生き物』という観点でいけば、松本の中では若い頃の全盛期に女性にモテまくった記憶があるため、老いた今もそのままの感覚で『相手が喜んでいる』と思っていたら、実は女性の方は『内心嫌々相手をしていた』という可能性もあるのかもしれないと思った。

大物芸人の俺と飲めて喜ばない女はいないというような『自意識過剰』が生んだ悲劇の可能性というか、松本と相手女性、双方の『認識のズレ』が、ひょっとすると今回のような状況を生んでしまったのかもしれないと思ったりもする。

最後の最後になるが、ツイッターの方ではプラスマイナス岩橋による告発（現在は削除済み）もあったり、事実とすれば芸能界ってほんまに汚いところやなと思ったし、明るみに出ていない闇はまだまだ大量にあるのではないかと思われる。（勿論芸能界にも良い人や素晴らしい人はたくさんいるのだろうが、一部の言動のせいで全体のイメージまで悪くなっていることは間違いない）

以上、松本は何故すぐに記者会見を開かなかったのか？についての個人的見解でした。