27話 白竜姫のピナ



:【白銀の竜姫】がテイムできました:

:以下の機能が開放されます:


:【万物の捕食者】……魔物や転生人プレイヤーなどの肉体部位が、食糧素材としてドロップされる:


 突然でてきたログに目を通せば、要はエサがドロップするようになったらしい。


:【白銀の幼竜】の名づけが可能です:


「ぴきいいい?」


 首を少しだけかしげてこちらを見つめる幼竜は、控えめに言ってだいぶ可愛かった。なにせ普段から無表情な妹ですら、隣で目を輝かせている。


「ふむ。では、貴様に『ピナ』の名を授けよう。ピーナッツのように可愛く美味しい存在であれ」


 泣き声もピーだしちょうどいいだろう。



:ちょwwwwwwwwwwwwww

:ドラゴンにピーナッツはないだろwwww

:そんなことより! ドラゴンをテイムしたとか初じゃないか!?

:えっ確かに

:ルンちゃんはどうやって幼竜の卵をゲットしたんだ!?

:どこの攻略サイトにも載ってないぞ!?

:じゃあ聞くなよ。パンドラでの情報価値はわかってるだろ?

:……仮想金貨での取引き必須レベルのレア情報だろ

:数万円、いや数十万円ぐらい出す奴もいそうだな……


「ぴーちゃん、とっても、かわいい」


「ぴっきゅいいい!」


「うむ。ピナよ、くるしゅうない」


 メルとピナでしばらくはしゃいでいると、突然メルが動きを止めて何やら手を耳元に当てだした。

 あれはフレンドボイスが来た時の仕草だ。


「ん、ノン、なに?」


 どうやらノンさんからのようだ。


「んん、ウタも来る? わかった。おに……ルーンちゃんにも、声、かける」


 何かのお誘いがかかったようだ。

 フレンドボイスを終えたメルは僕に向き直り、その内容を伝えてくれた。


「今夜は天候【月夜】、人、集まってる」

「なぜ月夜だと人々は集うのだ?」


「【白き千剣の大葬原だいそうげん】に現れる冠位種ネームド、【屍姫しきネクロマリア】、月夜に出現するって予想」

「ほう、そのような噂が……な」


屍姫しきネクロマリア】?

 確かそれって僕のことだったような……。



「【冠位種ネームド】の討伐隊、募集されてる」

「ほう」


「ウタもノンも参加する」

「ほう」


「私、行く。おに……ルーンちゃんも、くる?」

は遠慮しておこう。ピナの世話もあるゆえな」


 転生人プレイヤーが集結するって、もしかしなくても稼ぎ時?

 ついでにピナの食糧集めにもなるよね?



:めるめるが【白き千剣の大葬原だいそうげん】に行くらしいぞ!

:今までは姉妹の憩い空間を壊したくなかったから遠慮してたけどッ!

:討伐隊に加わるって話なら別だな!

:よっしゃ! 俺も一緒に【冠位種ネームド】ってやつを討伐するわ!

:みんな集まれえええ!

:めるめるを絶対に死なせるなよ!

:もちろんよ!


:俺はピナちゃんの生態が気になりすぎるんだけど

:幼竜とか新種だしなw



 ふと、異世界パンドラの空を見上げれば、夜の闇はさっきよりも深まっている。

 これなら暗闇に乗じて稼ぎ倒すにはもってこいだ。


「ふふふ、楽しみよな」


 僕の意気込みを歓迎するかのように、夜空に浮かぶ月は輝いていた。






————————————————————

ピナ :Lv1

種族 :白竜姫

満腹度:★☆☆☆☆


命値いのち:3 信仰MP:3

力:2 色力いりょく:4

防御:3 敏捷:3


【スキル】

〈白竜魔法Lv1〉

〈白炎Lv1〉


技術パッシブ

〈万物の捕食者Lv1〉


————————————————————



姫路ひめじ真央まお


キャラ名:ルーン

身分:幼女魔王

Lv :8

記憶:11

金貨: 2110枚


命値いのち:13 信仰MP:35

力:11 色力いりょく:21

防御:7 敏捷:13


【スキル】

〈不殺の魔王Lv4〉

Lv1……不殺の魔王

Lv2……転移の版図

Lv3……魔王軍

Lv4……神々を欺く者


技術パッシブ

〈魔を統べる者Lv6〉

Lv6……【契約・支配】状態でないLv60以下のモンスターに命令を下せる。Lv10以下のモンスターにはMPを消費しない。


〈鍛冶Lv2〉

Lv1……【精錬】鉱物の不純物を取り除き、インゴットを作成できる。

Lv2……【鍛造】インゴットなどの素材を鍛えて武器を作成できる。

————————————————————



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る