16話 亡者の軍勢
:ナリヤLv12 キル → Lv4に転生 金貨870枚を取得:
:パンツマンLv12 キル → Lv4に転生 金貨870枚を取得:
:ウタイテLv11 キル → Lv4に転生 金貨630枚を取得:
:【鋼鉄の剣★★☆】を獲得:
【
やっぱり高レベル
僕はリアルマネーへの換金という誘惑をどうにか退けて、さらなる金貨稼ぎをするために自身の強化を図る。
『金貨2370枚 → 1470枚 (900枚を捧げました)』
『記憶:8 → 9』
『スキルか│
『スキル【不殺の魔王】Lv3 → Lv4にアップ』
『【神々を
『MP消費2:自分のLv、キャラ名、身分、ステータスを好きに偽装できる(元々のステータス以下)』
『また、自身に隠しステータス【隠密+5】と【変幻+5】を付与する』
ふむふむ。
自分のステータスを自由自在に変化させられるなら、今後はより魔王としての正体を隠しやすくなる。
さらに隠しステータスとはバフのようなモノで最高値が+10らしい。
その中でも【隠密+5】は気配を察知されづらくなるし、【変幻+5】は
ひらたく言えば、【隠密+5】で周囲の景色に溶け込みやすく見つけづらい。そして仮に見つかったとしても、【変幻+5】で僕の顔や姿などがぼんやりとしか映らない仕様になっている。
「まさに魔王にふわさしいスキルよな……とはいえ、ついに記憶に費やす金貨の消費量も1ケタ上昇してしまったか」
少し前までは80枚とかだったのに、今や900枚だ。
念のためLvか記憶量を1つあげる分の金貨はとっておくべきかな?
これからどんどん金貨の消費量が増えるとなると、やはり稼ぎに出るしかない。
そんなわけで僕はさっそく新スキルを試すため、リスクを最大限に減らせそうな場所で
◇
冷たい月光が【白き千剣の
一見すると雪原のような色のない綺麗な世界が広がっているけど、その
血で血を贖う戦い、【亡者】と冒険者の殺し合いが静かに繰り広げられていた。
僕はその光景を眺め、一人ほくそ笑む。
「初心者が多いフィールドであるから、安全に
【神々を
「ふむ……【亡者】と言えど、実は二種も存在するのか……」
————————————
【亡者】Lv2〈命値2 信仰0 力3 色力0 防御2 敏捷1〉種族値-12
黄金の欲望に囚われ、不死者となった彼らは永遠に終わらぬ生を享受する。
だが、繰り返される死の苦痛に耐えきれず、ついには女神の呪縛から解放されたいと自らの魂と意思を魔に売ってしまった。
女神はこの失敗から学び、不死者ではなく転生者を創った。
〈ドロップ:金貨1枚(10%)〉
【亡者】Lv3〈命値2 信仰0 力3 色力0 防御3 敏捷1〉種族値-11
月樹神アルテミスは宣告した。
『個性などというものがあるから人間は道を
こうして不死者は
無色な草原のために、今日も新たな養分を求め彷徨う。
〈ドロップ:金貨1枚(12%)〉
————————————
「闇深い、闇深いな【亡者】の歴史。この地も色々あったのだろう」
不死者たちは連綿と続く生死が苦痛になったと。そこで魔に魂を売り、その罰としてこの白い草原のための、意思なき養分人形になっちゃったってわけか。
しかも永遠に。
不死性をそんな風に扱う神々こええ……。
「ふむふむ。どうりで高い草が生えてる地中には【亡者】がひそんでいるわけだ。【亡者】が養分なら草の成長はよくなるとな」
そんな独り言をもらしつつ、【神々を欺く者】で自分の名前とLvを表示しないようにしておく。さらにスキルや身分、レベルなんかもいじれたりもするので、万が一に備えて『修道女』という割とオーソドックスな身分に改ざん。
これからやる事を考えれば、誰かに見られた時のリスクを極力減らさなければいけない。
「ふむ」
僕はあえて背の高い草原地帯へと腰を下ろす。
こうすればスッポリと草の影に隠れきってしまうからだ。
そして地中からは【亡者】がずるずると姿を現す。
肉がドロドロにこびりついた頭蓋骨をひょっこりのぞかせる【亡者】と目が合い、手を振ればカクカクと答えてくれる。
「よかろう。夜の暗がりも相まって、
この調子で『呼ぶ』を繰り返し、今や僕の周囲は【亡者】だらけになりつつある。
真っ白な草原で、屍に囲まれながらお月見とか、これまた
なんて、けっこうホラーだよなあ。
「【亡者】たちよ。まずは財産となる物を探し出せ」
集まった【亡者】たちに『採集』を命じておく。すると【亡者】たちは次々と地面に潜り消えていった。
Lv10以下のモンスターだから、何体使役しても
あとは彼ら彼女らが戻ってくるまで、周辺で【亡者】狩りをしている冒険者を草陰からこっそり観察してみよう。
ふむふむ、パーティーを組んでる人達はやっぱり強いなあ。
「ソロで戦ってる冒険者は、ひ、ふ、み……Lv2やLv3を狙った方がよいか。襲え——」
僕はさらに【亡者】を5人ほど呼び出し、まずはLv2の冒険者から襲わせてみる。
Lv2の彼は【白き千剣の大葬原】には慣れているのか、しっかりと草の背が高い箇所を避けて、必ず【亡者】と一対一になるよう立ち回っていた。
そこで僕が命令した【亡者】2人が地中よりこんばんは。
「な!? えっ、ど、どうして!?」
一瞬動揺した彼だけど、すぐさま【亡者】の1人を蹴り上げ、流れるような体裁きでもう一人も切り上げた。次いで、もとから戦っていた【亡者】の攻撃もかわす。
見事だ。
追加で3人の【亡者】が地中より出てきて、彼の腰と両足に掴まりさえしなければ。
「な!? こんな、こと、ありえな!? ぎゃっ」
当然、先ほど彼がいなした【亡者】2人の
時間にして5秒と少し、彼はあっけなくキルされていった。
:ケンシンLv2 キル → Lv1に転生 金貨20枚を獲得:
:【銅の剣☆☆☆】を獲得:
南無。
「よくやったぞ、亡者小隊。次の任務はあのLv3の冒険者よな。出撃」
僕はこの調子で白草の影に隠れながら、Lv2やLv3のソロ冒険者に【亡者】小隊をぶつけ殺してゆく。
ついでに【銅の剣】などの武器も、スキル【魔王軍】によって装備可能だったので、小隊リーダーの【亡者】には装備させておく。
「な!? どうして地中から!? 誰かたすけっ」
「草が短いところは安全じゃなかったのがよ゛!? うおっ、やめっぐおお」
「亡者たちが組織だってないぎゃ!? ぎゃああっ」
「剣を持ってるぞ!? ふ、普通の亡者より攻撃力がっつよっ」
月夜の晩は獲物を見つけやすくていい。
しかもこの小さな体躯と銀髪というのも、白い草原の中で身を隠すには持ってこいだ。
そして十人を超える冒険者を屠ったところで、『採取』活動をさせていた【亡者】たちが色々な物を持ってきてくれる。
「ほう、【月光呪の石】とな? このような石は高値で売れるのか……? それに一つしか採集できなかった【
やっぱり【亡者】や【白き千剣の大葬原】に何かしらのエピソードがあるように、【白波の
しかも『採集』させるモンスターによって、取ってくる物が変わるとなれば金策手段は無限に広がる!
「よしよし、【亡者】たちよ。見事な働きであった」
ご満悦な僕の様子を喜んでくれたのか、グチャグチャカタカタと【亡者】たちも笑ってくれた。
なんだか地面から上半身だけ出す【亡者】たちに妙な愛着がわき始める。
「
草原の影に隠れる月夜の密会は、多くの収穫を上げた。
そして日の出が上がると共に人間狩りは幕を閉じた。
◇
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キャラ名:ルーン
身分:幼女魔王
Lv :7
記憶:9
金貨:1470枚 → 1800枚
力 :7
防御:7 敏捷:13
【スキル】
〈不殺の魔王Lv4〉
Lv1……不殺の魔王
Lv2……転移の版図
Lv3……魔王軍
Lv4……神々を欺く者
【
〈魔を統べる者Lv6〉
Lv6……【契約・支配】状態でないLv60以下のモンスターに命令を下せる。Lv10以下のモンスターにはMPを消費しない。
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