第9話 初のボス戦
ボス部屋の中に入るとそこには、普通のスケルトンより一回りは大きいサイズのスケルトンが、右手には剣左手には盾を持ち、更には長年着込んでいたせいかボロボロになった防具を着込んでいた。
スケルトンソルジャーLV12
そうしてユニの初のしっかりとしたボス戦が始まった。
そしてスケルトンソルジャーとの戦闘が始まったのと同時に、スカムが赤の番傘を横に振ると、何処からか見覚えのあるモンスターが1匹現れた。
そうそれは身体をプルプルとしたゼラチン状の謎の液体で構成された魔物、スライムであった。
いきなりスライムが出て来た事には驚いたユニだったが、直ぐにもしかしてスカムとそのスライムで一緒にタンクをするのかと思った次の瞬間、スカムが今自分が召喚したスライムを片手で持ち上げると、それを勢いよくスケルトンソルジャーの顔面目掛けて投擲した。
「えぇぇぇ!何やってるのスカムちゃん!?」
「何?ってヘイト稼ぎだよ?」
そう言うとスカムは次々とスライムを何処からか召喚すると、それをスケルトンソルジャーの顔目掛けて投擲し続けた。
最初の方は顔についたスライムをボスの威厳を保つ為か、若干格好つけながら引き剥がしていたスケルトンソルジャーだったが、剥がしても剥がしても次から次へとスライムが顔にへばりついてくることに、苛立ちを覚えたスケルトンソルジャーは、手に持っていた剣を振り上げてスカムを襲い始めた。
そしてスケルトンソルジャーがスカムを攻撃し始めたのと同時に、スカムはスライムを投擲する手を止めて、今度はそのスケルトンソルジャーの攻撃を躱す事に専念し始めた結果、ボス戦は開始早々にスカムとスケルトンソルジャーの追いかけっこに早変わりした。
そしてその光景に一瞬びっくりして止まっていたユニだったが、ボス戦が始まる前にスカムが言っていた事を思い出し、魔導書を手にスケルトンソルジャーへとホーリーショットを撃ち始めた。
うち始めたのだが、まだまだゲームを始めたばかりのユニには、動き回る敵に魔法を当てるのは苦手で、ユニの放った魔法はその事如くがスケルトンソルジャーには当たらず空を切った。
そうして魔法が当たらないと分かったユニは、どうすればスケルトンソルジャーに魔法が当たるかを考えた。
その結果が、スケルトンソルジャーに近づいて魔法を撃つだった。
そうしてユニの初のボス戦は、逃げながら偶にヘイト稼ぎにスライムをスケルトンソルジャーの顔面目掛けて投げつけるスカムと、それを剣を振り回しながらに一心不乱に追いかけ回すスケルトンソルジャーに、それをこれまた魔法を当てる為に追いかけ回すユニと言う、側から見たらコイツらは何をしてるんだ?と思う変なやり方でユニ達はボス戦を挑んでいた。
魔法を外し過ぎたユニはボス戦の途中でMPが切れて、最後の方はスケルトンソルジャーに向かって、魔導書を投げつける事で攻撃し、時間経過でMPが回復すれば魔法を撃ち、またMPが切れれば魔導書を投げつけるを繰り返していると、じわじわとスケルトンソルジャーのHPは減っていき、最後はしっかりとMPの回復を待ち、ホーリーショットで無事トドメを刺す事に成功した。
「やったー!勝てた!」
「おめでとうユニちゃん」
「スカムちゃんありがとう!」
「それじゃあユニちゃんボス討伐のご褒美のボスドロップ確認しに行こっか」
「は〜い!」
そうしてユニとスカムはスケルトンソルジャーの死体のある場所へと向かった。
《骨×5》《古めかしい胸当て》《古めかしいブーツ》を入手した。
《骨》
分類:素材
レア度:1
効果:なし
《古めかしい胸当て》
分類:防具(上半身)
レア度:2
品質:1
物理防御力+5
効果:なし
《古めかしいブーツ》
分類:防具(足)
レア度:2
品質:2
物理防御力+6(+3)
効果:なし
「スカムちゃん!防具2つ落ちた!」
「おめでとう。私の方はグローブだけかな?」
「けど、胸当てと魔術師のローブで上半身防具被っちゃった……」
「そっか、ならユニちゃん。その胸当てとグローブ交換しない?」
「いいの?」
「もちろん!」
「ありがとう!スカムちゃん!」
そうしてユニはスカムと古めかしい胸当てと古めかしいグローブを交換した。
《古めかしいグローブ》
分類:防具(腕)
レア度:2
品質:1
物理防御力+3
効果:なし
「ジャジャーン!どう?スカムちゃん!」
「うん!似合ってるよユニちゃん」
【ユニ】
基礎LV.6
職業〈魔術師〉LV6
種族〈エルフ〉
HP 92/92(+10)
MP 2/158(+30)
STR:6(+1)
INT:31(+13)
VIT:7(+0)
AGI:15(+2)
DEX:16(+4)
装備
武器:初心者用の魔導書
頭そう人:なし
上半身装備:初心者用の魔術師のローブ
腕装備:古めかしいグローブ
腰装備:なし
足装備:古めかしいブーツ
アクセ:空の指輪
:なし
:なし
:なし
:なし
小さなアイテムポーチ
スキル:炎魔法LV3 聖魔法LV3 回復法LV1 採取LV2 白銀の狼の呪LV EX
所持金430G
満腹度89%
新しく手に入れた装備を身につけて喜び、スカムに見せる様にくるくると回っていると、ボス部屋の入り口の方から1つの走ってこちらに向かってくる足音が聞こえた。
そして次の瞬間バンっと大きな音を立てて開かれた扉の先には、先程ユニ達を追いかけ回していた男が立っていた。
「ようやく見つけたぞ!ゆ…」
男が何かを言おうとした瞬間、洞窟内なのにも関わらずユニ達の目の前に大きな雷が音を立てて降り注ぎ、そしてそこにはユニークボスである白銀の狼が佇んでいた。
ファンタジーオブニューワールド〜頭のおかしい奴らに囲まれてのVRMMO生活〜 なべたべたい @nabetabetai
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