可愛くて美味しい真理姉
Bu-cha
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白いシャツにデニム、黒のパーカー、その上に黒いコートを羽織り黒のスニーカーで着いた場所。
都内にある都心の大きなマンション。
まるで高級ホテルかのように綺麗なマンション。
そんなマンションの管理人さん・・・というのかなんというのか・・・顔見知りになっている素敵な男性に今日も会釈をした。
そして専用の袋に入った鍵を取り出す。
マンションの入口の1つ目のオートロックをその鍵で開け、目指すは最上階にある1部屋。
人材派遣・人材紹介、キャリアステージOneTwoという会社。
その会社が行っている家事代行・ベビーシッターサービス。
私は家事代行の仕事をしに2月から派遣されることとなった“まり姉”。
26歳、いわゆるコミュ障の私。
そんな私が出来る仕事がこの仕事だった。
大学卒業後、社会人経験のなかった私が去年派遣の登録をし、家事代行やベビーシッターに有利な資格取得のサポートをしてくれた会社。
キャリアステージOneTwoの社員さんのお宅での研修も終了した。
初めての派遣先、このお客様のお宅で家事代行の仕事を始めて今日で2週間。
コミュ障の私が今日もこの難しいお客様のお宅で仕事をする・・・。
お預かりしている鍵でお客様の部屋の鍵を開けようとして・・・腕時計を確認してから悩む。
「7時半・・・。」
早ければ出勤している時間。
でもまだ出勤していない時はこの時間でも出勤していない。
扉の前でしばらく悩み・・・
悩み・・・
恐る恐る、インターフォンを押した・・・。
しばらく待っても応答がない。
それに少し安心もして、鍵を差し込もうとした。
鍵を差し込もうとしたその時・・・
ガチャ─────....
と、部屋の扉が内側から開いた。
開いてしまった・・・。
それに心臓がドクドクと騒ぎだしていく・・・。
そして、開いた扉からお客様の姿を見て・・・
心臓が止まるかと思った・・・。
実際はドッドッドッ────と心臓が壊れそうになるくらい暴れているけど、気持ちとしては心臓が止まるかと思った・・・。
それくらいビックリした・・・。
それくらい、刺激が強い姿で・・・。
出てきたお客様は・・・
裸だった・・・。
下半身はタオルで巻かれていたけど、黒い髪の毛からは水がポタポタと落ちていて・・・
大きな身体に筋肉がよくついた・・・
格好良いけれど怖くもある顔のお客様・・・。
そんなお客様が怖い顔を明るい笑顔にして私に笑い掛けてきた。
「おはよう、まり姉。」
そう言って笑い掛けてきた・・・。
そんな笑顔は破壊力抜群で・・・。
こんな姿でそんな笑顔で、私には破壊力抜群で・・・。
きっと私だけではなく、世の中の女性には破壊力抜群なはずで・・・。
目を逸らしてしまいたかったけれど、顔を上げたまま少しだけ笑った。
「おはよう、ございます・・・。」
小さな声でだけど返事をした私に、お客様は嬉しそうな顔で笑ってきた。
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