第八話「風とともに」

 コジークがレッドたちの前に姿を現してから1週間後。市街地から離れた山中。

 レッドとフラワーガールは二人でマジックアイテムを探していた。


「この辺りにマジックアイテムの反応があったんだけど……」

「この辺りか……」


 レッドとフラワーガールが辺りをきょろきょろと見回していると、インストが語りかけてきた。


『レッド、フラワーガール、ここから北の方で動植物がざわめいている』

「北? よし、そっちに行ってみよう!」

「うん!」


 二人は北へ向かった。




 二人が北に行くにつれ、木々のざわめきが大きくなっていった。

 そして、


「あれは……コジーク!」


 レッドの視線の先には、一人の黒ずくめの男が立っていた。ゴストレアの幹部、コジークである。


「あいつ、わたしが前に見たのと同じやつだ! やっぱりあれがコジークだったんだね」


 フラワーガールも険しい視線を向ける。


「おや、思ったよりも早かったな。だが、既に私の目的は果たした」


 コジークは右手の扇を掲げた。


「あれは……マジックアイテム! 返しなさい!」


 フラワーガールが鋭い声を放つ。


「お断りする。これは我が組織で有効活用させていただく。では、さらば」


 コジークが手を振ると、一陣の風が吹き、木の葉が舞い散った。


「!」


 そして彼の姿は消えていた。


「何てこった……敵にマジックアイテムが渡ってしまった……」

「ルードだけでも厄介な相手なのに、マジックアイテムの力が加わったらどうなるか……」


 レッドとフラワーガールはほぞをかんだ。




 レッドとフラワーガールがひとまずヒーローズの事務所に向かっている途中、ブルーからレッドに連絡が入った。


『レッド、緊急事態だ! 県西部に巨大な竜巻が発生した! そのまま消えずに鷹地市に向かって移動している! インストの情報によると、中心部にルードがいるらしい!』

「何ですって!」

『俺は現場に向かっている。レッドもすぐに来てくれ!』

「わかりました!」


 ブルーとの通信を終えると、レッドはフラワーガールに向き直った。


「……ということだ。竜巻ってひょっとして……」

「うん。多分、さっきのマジックアイテムの力だよ。コジークのやつ、もう使ったんだね」

「俺はすぎに現場に向かう。一緒に来てくれるか?」

「うん。もちろん」

「ありがとう」


 二人は県西部へ向かった。

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