第六話「きっかけ」

「そういえば、レッドはどんなふうにヒーローになったの?」


 河原で、レッドとフラワーガールがルードを倒した後のこと。

 フラワーガールがレッドに尋ねた。


「俺か? ある日、ルードに遭遇した時、インスト……インテリジェント・ストーンがやって来て、俺をヒーローにしたんだ」

「インテリジェント・ストーン?」

「ああ。意思を持った石。持ち主にバトルスーツを装着させる機能を持っている」

「そのインテリジェント・ストーンというのはどこから来たの?」

「そういえば俺も知らないな。なあ、インスト。お前、どこから来たんだ?」


 レッドの問いに、バトルスーツからインストの音声が発せられる。


『我は古代文明の産物だ。遺跡で休眠していたが、ルードの活動を感知して目覚めた』

「古代文明って、ルードを生み出した文明と同じなのか?」

『そうだ』

「そうだったのか」

「そうだったんだね」


 インストの言葉にうなずく二人。


「それで、フラワーガールの方はどんなふうに魔法少女になったんだ?」

「わたし?」


 フラワーガールが小首をかしげる。


「わたしは、家にいたらファイブルが窓から飛び込んできて、『魔法少女になるラ!』って言ってきたの」

「それでなったのか?」

「ううん。最初は何だか怖かったから断った。でも、その後、先輩が魔法少女として人助けをしているのを見て、自分もやってみようって思ったんだ」

「先輩ってインテンションのことか。見た感じ年下だけど、先輩って呼んでるのか」

「うん。魔法少女になったのは先輩の方が早かったからね」


 そんな話をした後、二人は解散した。




「フラワーガールがきっかけでヒーローになるのを決めたこと、言えなかったな……正体がバレるから言えないんだけど」


 自宅の部屋で優斗はひとりごちた。

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