犬の骨 32

埼玉県M町の神社には

「昔、この地を襲った妖怪を通りかかりの偉いお坊様と地元の住人が協力して退治した。その妖怪を封じた壺を祭っており、これは決して開けてはならない」

という言い伝えがあった。


実際、神社の本殿には大きな壺が祭ってあったが、神社そのものを管理する神主等はおらず、近隣の町内会が管理していたがそれにも限界がありほとんど朽ちてしまっていた。


ある時、台風の被害で本殿を含み大きな損害を受け、危険であるとして自治体で対応する事となった。

依頼を受けた業者が神社に赴くと、件の壺が割れてしまっているのを発見した。

壺の中からは大量の人骨が溢れていた。


業者は作業を中断して警察に通報し、一時ちょっとした騒ぎとなった。

調査の結果、人骨は全て生後数ヶ月から1年前後の赤子のもので、少なくとも15人分はある事が分かった。

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