犬の骨 26

私の通っていた小学校の体育館は、夜に町内のダンスサークルに貸し出されていた。

大勢が一度に踊るので、ドシンドシンと床の揺れる大きな音がよく外まで響いていた。


ある時、塾の帰りに小学校の近くを通るとドシンドシンという音が体育館から聞こえた。

ダンスサークルの練習をしているのだと思い、サークルに入っている友人に声をかけていこうと思った。


体育館に近づいて、灯りがついていない事に気づき不思議に思った。

真っ暗な中で練習しているのか?と思い、窓から中を覗いてみた。

中ではたくさんの何かが動いていたが、それは人間ではなく、たくさんのバスケットボールが跳ねているように見えた。


ボールには凹凸があって、長いひょろりとした物がついている物もある、と気づいた時に、それはボールではなく人間の頭であるとわかった。

あまりの光景に固まっていると、ひとつの頭と目があったように感じた。

咄嗟に逃げ出し、家まで走った。


それ以降、体育館に近づく事が怖かった。

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