犬の骨 22

深夜にひとりで残業していて、疲れたので窓の外をぼーっと眺めていた。

ビルの高い階なので、街が一望できた。


まばらな灯りの中で、ふと何か影が動いたように見えた。

よく見てみると、何か黒い物が道路を横断していた。

人影に見えたが、どう考えても大きすぎた。身長は6メートルはあるように見えた。

その人型の影はゆっくりと道路を歩いていた。

足元を車が通過する。運転手には見えていないのだろうか。

そのうち、一台のトラックが影に激突した…ように見えたが、トラックは影をすり抜けた。影もとくに反応せず歩き続けた。

その後、トラックが事故を起こすとか、そういった事も無かった。

影は道路を横断しきると、ビルの合間へと消えて行った。

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