犬の骨 11

中学生の時の話です。

当時私はサッカー部に所属していました。

毎日暗くなるまで校庭で練習していました。


ある日、日が沈みきって間もない頃、突然部員の誰かが「UFOだ!」と叫びました。

空を見上げると、オレンジ色の丸い光が、5~6個程、くるくると円を描いて飛んだり、カクカクと直線的に飛んでいました。

明らかに星や飛行機ではありません。

校庭にいた他の部活の人もざわつき始めました。

監督の先生も

「すごいなー、俺も初めて見たよ」

と一緒になって空を見上げています。


ふと、部員のTが浮かない顔で地面を見つめていたので、

「T!UFOだぞ!お前も見ておけよ!」

と声をかけました。Tは

「俺、小さい時にUFO見た事あるんだけどさ、その後死ぬほどお腹が痛くなって入院したんだよ。またそうなりそうで嫌なんだよ」

と言いました。


翌日、学校の多くの生徒が腹痛で欠席しました。

給食による集団食中毒だという事に落ち着き、少しニュースにもなりました。

でも、日中は出張していて給食を食べていない監督の先生まで腹痛で倒れた事にはいまだに違和感を覚えます。

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