犬の骨 2

浪人生の頃、日が沈むか沈まないかくらいの夕闇時に散歩をするのが好きだった。

ある日、そういう夕闇時に田んぼの間を通る道をのんびり歩いていた。夕焼けの空と、薄暗くなった景色が綺麗だった。


頭に何かが当たった。

上から何かが落ちてきたと思った。


地面に転がったものを見ると、幼児がごっこ遊びに使うような赤ん坊の人形が落ちていた。

髪はぼさぼさで、黒い汚れや傷でボロボロだった。

周りを見回したが、誰もいなかった。

一応上を見上げたが、夕焼け空が見えただけだった。電線すら無かった。


その日から、夕闇時の散歩はやめた。

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