クリエイタースキルでダンジョンマスター

るいす

第1話 説明

「俺の名前は、・・・なんだっけ?」


思い起こしてみてもプライベートの記憶がすべて抜け落ちていた。周りを見てみるとパニックに陥っている人が大勢いた。


そんな中で玉座のような場所で椅子に座り、こちらが落ち着くのを待っている人?が1人。


この場にいる全員がその様子に気づくまでにそれほど時間はかからなかった。


「落ち着いたか。其方らは我と神との遊びの駒として集められた50人だ。ちなみに神の方にも50人の魂が集められている」


その言葉を聞いて、俺は冷や汗を流した。集団の中には興奮して続きを促している者もいる。



「其方らはダンジョンマスターとしてダンジョンを管理し、神が選定した50人の勇者を討伐してもらう。期間は無期限。其方らは不老の存在となるがダンジョンコアが破壊された場合は死に至る。ここまでで何か質問はあるか?」



ここで、先ほど興奮していた1人が早口でこう話しかけた。


「チートはいただけるのですか。異世界転生と言えばチートでしょう」



「ん?チートとはスキルのことか。1人につき1つだけスキルを与えることが条件に含まれている。しかし、強力なスキル程より強大な代償が必要なことを覚えておくことだな。」



この言葉を聞いて、半数は盛り上がり、半数は大人しくしていた。おそらくではあるが代償が気になっているかどうかで反応が分かれているのだろう。そんな様子を上から見つめている???は話を続ける。


「スキルについてはダンジョンコアの仕様を聞いてからよく考えて決めると良い。ダンジョンコアは周囲の魔物を自身のダンジョンに取り込みしもべとして扱うことのできる物だ。決してダンジョンコアから魔物を生み出すことはできない。だが、ダンジョンに侵入した魔物を強化、変異させることは可能だ。そうしてダンジョンに適した魔物を作り出すことはできる」


「・・・・」


「ん?以上だ。後は自身で確かめながら機能を確認していってくれ」



この言葉には、この場にいる全員が反論があるらしく「もっと詳細を説明しろ」などとわめいている。


「黙れ」


この1言で全員が話すことができなくなった。



「お前たちは遊びの駒だということを忘れるな。そうでなければこの場で2度目の生を終えるところだったぞ」



俺はこの言葉になぜか疑問があった。思い返してみると。


「2度目の生?」


と口ずさんでいた。それが聞こえていたらしく返答が返ってくる。



「そうだ。お主らは地球という今から行く世界とは別の世界で1生を終えた。その魂を救い上げてこの場に召喚したのだ。そうそう。この勝負に勝った場合の報酬は、1つ望みをかなえて人族として転生させることとなっている。負けた場合はどうなるかは分からんがな」


「そろそろ時間だ。お前たちを我らの世界へ転生させる。せいぜいあがいて我らを楽しませてくれ」



その言葉を最後に俺は意識を失った。

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