第7話 対エリアエネミー

仮面ソルジャーさんとパーティーを組んだことで、それぞれのステータスを確認した。

まずは俺からだ。


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プレイヤー名:ナッラー  性別:男性

Lv:11


【属性】:光

【HP】:275/275

【MP】:790/790

【スタミナ】:275/275


【種族】:天使族:RES(+30%) ATT(+70%)


【職業】:

【サブ】:


▼ステータス値:


【STR】:10

【VIT】:10(+14)

【INT】:120(+7)

【RES】:20(+6)

【DEX】:10

【AGI】:100(+5)

【CHA】:10

【ATT】:10(+7)

【SEN】:10

【LUK】:10


▼装備


【頭】:

【首】:

【服】:〔獣キラーの〕兎皮の服:獣型のエネミーに対するダメージを5%上昇する。

【左武器】:-

【右武器】:鉄製の杖

【腕】:

【腰】:

【足】:〔跳躍力の〕兎皮の靴:AGIが5上昇する。


▼スキル欄

<飛行Ⅰ>、<MP再生Ⅰ>、<光魔法Ⅰ>、<緊急回避Ⅰ>、<復活の光輪Ⅰ>


▼技術力

<ライトボール>、<ライトジャベリン>、<マジックフォース>


【カルマ値】:1


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次は仮面ソルジャーさんのステータスだ。


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プレイヤー名:仮面ソルジャー  性別:男性

Lv:12


【属性】:幻

【HP】:390/390

【MP】:210/210

【スタミナ】:390/390


【種族】:獣人族(熊型):VIT(+70%)AGI(+30%)


【職業】:

【サブ】:


▼ステータス値:


【STR】:80

【VIT】:25(+17)(+7)

【INT】:10

【RES】:10

【DEX】:10

【AGI】:45(+13)

【CHA】:10

【ATT】:10

【SEN】:10

【LUK】:10


▼装備


【頭】:昆虫型の仮面

【首】:

【服】:布の服。

【左武器】:-

【右武器】:-

【腕】:

【腰】:布のベルト

【足】:皮の靴。


▼スキル欄

<カード化>、<高速装着Ⅰ>、<格闘術Ⅰ>、<剣術Ⅰ>、<弓術Ⅰ>


▼技術力

<カード化>、<解放>、<拡散矢>、<剛力矢(パワーアロー)>、<彗星蹴り>


【カルマ値】:5


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完全な物理型でVITとAGIそこそこ高く、アタッカーや盾役も熟せそうなステータスだ。

スキル名で魔法や術が付いているのは、スキルレベルが2になれば威力ボーナスも付くので、近距離、中距離、長距離も器用にアタッカーが出来るのも魅力的。


装備欄にある『昆虫型の仮面』は木彫りで簡単に作られたもので、ステータス値はVITが1しかない。

一応、オーダーメイドらしい。

素材もただの木材で、加工しやすいため値段は凄く安かったらしい。

初心者用装備で売られている布、皮系は一律VITが2上昇する。



俺達はステータスを見せ合いながら、エリアエネミーがいる場所まで歩いていく。

着くまでの間、どう立ち回るか確認し合う。


「ソルジャーさん、次のエリアボスでは盾役とか出来ますか?」

「大丈夫ですよ。 一応盾装備も持っているので、ヘイト稼ぎながらガードと避けを頑張りますね」

「そうですよね。 ヒーラーが居ないから全部攻撃を受け止められませんよね」

「一応持っている回復薬を渡しますね」

「ありがとう。 そっちもアタッカーとしてガンガンと攻めてほしいね」

「ヘイトを集めないように攻めますね……」


俺はインベントリから下級ポーションを3つ取り出し、彼に渡す。

遂にエリアエネミーが出現する場所へ移動するポータルを見つけた。

ポータルに乗ればボス部屋に移動する。

その上限はパーティー一個分、つまり6人だ。


彼は、装備を『鉄製の盾』と『鉄製の剣』を装備した。


「覚悟はいいかい? ナッラーくん」

「いつでも大丈夫ですよ」

「では行こう」


彼は一歩踏み出し、ポータルの範囲内に足が入ると一瞬で姿が消える。

俺もついていくように一歩を踏み出し、画面が一瞬で切り替わった。









周りには、木が円で囲むように配置されていて、真正面には映るのはただ広い草原と待ち構えている2mほどの高さだが、ずんぐりむっくりと丸々とした体型だ。

大きく細長い耳にルビーのように赤くきれいな目に凶悪に出っ張りの歯が特徴のエリアエネミー「ジャインアントラビット」だ。

俺たちを標的と定めたのか、エネミー名、土属性、レベル9とHPバーの表記が邪魔にならない程度に画面上に表示された。


兎は、突進の構えとして尻を奥の方に突き出す体勢となった。


「来るぞ、ナッラーくん」

「ああ! 技術力"マジックフォース"」


まずは初手に自分自身にINTを上げるバフ魔法を掛ける。

兎は溜めた足を解放して一気に加速する。


「これは防ぐことは出来ないな、避けるぞ」

「了解」


二人はそれぞれ左右分かれてに、地面に転がるように回避をする。

兎は突進でエリアの壁の役目である木に激突して怯む。


「よし、今だ! 技術力"ライトジャベリン"」

「おぉおお! ふんっ!」


俺はライトボールより威力の高い魔法である"ライトジャベリン"を放ち、彼は兎の元へ走り剣を振って攻撃をする。

兎が体勢を整えるまでに魔法を数発撃ち抜く。

それにより、次の攻撃までに2割強と大きく削れた。

俺の装備である獣キラーの効果により、PKプレイヤーに与えてた威力よりダメージ量が上がっていた。


この調子なら、余裕と思っていたところ、兎が足で地面に強く踏む。

その衝撃ですぐそばにいた彼は体勢が崩れ怯む。

その状態を狙い、尻を彼の方に向ける。


「まずい! こっち向け兎! 技術力"ライトジャベリン"」


俺はいち早く着弾するために兎の方に走りながら詠唱をする。

ここでヘイトを稼いで、俺の方に意識を向けないと彼が一発で退場になるであろう。


兎の頭に2発当たったことでこちらに意識が向いてきた。

兎は方向転換して、彼を蹴ろうと溜めた足を突進の加速のために使った。


よし、こちらにターゲットが移った。


兎が突進をしている最中に、AGI100越えによる回避で少し余裕があったので、"ライトボール"を一発放つ。

突進により再び木へ突っ込んで衝突したことで、怯む。


仮面ソルジャーは怯みから復活して、装備が長弓に変更してた。


「くらえっ! 技術力"剛力矢パワーアロー"」


弦を思いっきり引いて、矢がエフェクトを纏ったタイミングで放つ。


「技術力"ライトジャベリン"!」


続けて俺は魔法を放つ。

兎は諸に攻撃が当たりHPが1割弱減る。

兎の怯みが徐々に解けたことで再び地面を強く蹴り、衝撃が走る。

だが、二人は近くにいなかったことで怯むことがなかった。


次の行動は、顔を上に向けて足を溜めていた。


俺と彼がいる距離なら、このまま遠距離で攻撃したほうがいいだろう。

兎が足を溜めている間に再び技術力を放つ。


HPが5割切ったことで、兎は上へとジャンプする。

ジャンプしたことで、徐々に兎の影が大きく映る。

その影は、俺の影が飲み込んで大きくなる。

つまり、標的は俺の様だ。


兎が落下してくるので、今すぐ避けなければ落下の衝撃波だけで紙耐久である俺が死んでしまう。

俺は兎の影から逃げるために、スタミナを消費しながら全力で走る。

兎の巨体が地面に強く衝突したことで衝撃波が発生する。


「ぐはっ!」


その衝撃波から逃げることが出来ずにダメージを負い、地面に転がる。

これによりHPが9割ほど削られた。


「テストプレイしたよりも強くね? いや、ただVITが低いだけか」


俺はインベントリから下級ポーションを取り出し、飲み干すことでHPを回復する。

市販の下級ポーションの回復量は、300で固定されている。

HPの低い俺なら一本で全回復する。


俺が回復している間、彼が弓で兎に技術力を放ちヘイトを稼ぐ。

兎が彼に向いた時、長弓をカードに変換して技術力"攻撃態勢"で剣と盾を具現化する。


兎は再び突進の体勢になったので、俺はヘイトが向かないように"ライトボール"を使い徐々にHPを削っていく。

そして、溜まった足を解放して突進が行われる。

彼は少しタイミングが遅れたのか回避の際、少し掠ってしまいダメージを受ける。


壁に当たったことで怯みのタイミングが来て攻撃のチャンスが生まれる。


「技術力"マジックフォース、技術力"ライトジャベリン"」


自分自身に掛けていたバフが切れていたので、再びバフ魔法を唱えてから、攻撃を行う。

彼はそのまま剣で振って攻撃をする。

やはり技術力がないと、あまりダメージが稼ぐことが出来ないみたいだ。


何とか兎の残りのHPが4割切った。

それにより行動変化がなく、あの落下攻撃であるヒップドロップをするために足を溜め始めた。


今のところの兎の行動パターンは蹴り、突進、ヒップドロップしかない。

ヒップドロップだけは攻撃範囲が高く避けづらい。

これを何回耐えればいいのかの勝負になる。


「技術力"ライトジャベリン"」


俺は魔法を放ち、彼は剣を振ってダメージを稼ぐ。

数十秒間攻撃していると、兎は高くジャンプしてソルジャーさんに目掛けてヒップドロップを行う。

彼は兎の影の範囲から抜け出し、このままだと逃げきれないので衝撃波に備えて盾を構える。


彼はヒップドロップには直撃せずに済んだが衝撃波により、ダメージを負うものの3割弱まで抑えた。

落下攻撃による硬直時間のが許す限り追撃の"ライトジャベリン"を放つ。

それにより兎の残りHPが1割に切った。


「ギーッ!!」


兎が雄叫びを上げて、突進の構えをする。

今までとは違い、赤いオーラを纏っている。

これは発狂モードだ。

残りHPが一割切ると、防御力が下がって攻撃力が上昇するオーラを纏う。



「あともう少しだ! 次の突進で怯んだ隙にフィッシュしよう」

「分かった」


兎の突進が今までとは違い威圧のような重量さを感じる。

だがしかし、いつも通りに二人は回避して木に衝突して怯む。


「ラストっ! 技術力"ライトジャベリン"っ!」

「技術力"カード化"。 ふんっ! 技術力"彗星蹴り"」


俺は後ろ姿の兎に魔法を放ち、彼は装備をカード化した後高くジャンプして技術力を発動する。

ライトジャベリンと彗星蹴りの同時攻撃により兎のHPがk刷り切れて霧のように消える。


見事、エリアエネミーに勝利して莫大な経験値の獲得とドロップ品の『巨兎きょとの毛皮』、『巨兎きょとの歯』を入手した。

経験値により俺とソルジャーさんはキャラレベルが1上がった。


「まさか、エリアエネミーがここまで強いとは思いませんでした」

「そうですね。 パーティー推奨の敵ですから」

「あまり盾が必要ない攻撃ばかりでしたが、衝撃波に関しては役に立ちました……」


もしすべてのステータス値をVITに振っていれば、突進やヒップドロップの攻撃はHPを1割強は残して耐えていただろう。


「今回の敵は攻撃パターンで多く隙が生まれていたので対処しやすいのでしょうね」

「次のエリアだとどうなるのやら」

「次回もよろしければ誘ってくれるとありがたいです」

「俺もソロでやるより安全に攻略が出来るので助かります」


エリアエネミーとの激闘が終わったので、二人はクエスト達成の報告のために街に戻るのであった。

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