「台本」【男2、女2、不問1】TRPG

KA𝐄RU

TRPG(約40分くらいの台本です)

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声劇・ボイドラ台本 『TRPG』

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このシナリオについて


・配信などの台本としての使用については

 自由にしてください。


・私的利用の範囲外の利用はサイトの規約で

 禁止されてるので、禁止です。


・配信で使用する際、改変しようが何を

 行おうが、その配信者さんの責任で

 行うなら全然おっけーです。なお、

 KAERUは本台本を使用した配信で

 起こる全ての争いに責任を負わない

 ものとします。


・複製はこのサイトの規約的にもダメです。


・質問などあったらKAERUまでお気軽に。


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キャラクター一覧

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ナレ:

戦士:

盗賊:

魔法使い:

僧侶:


※PC使ってる人は、[ctrl]+[F]とかで自分の

 役をページ内検索すると、色付いて見やすい

 かもしれないです。

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プロフィール

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ナレ(性別不問)

シナリオ進行。GMです。

中肉中背、面倒見の良い性格をしている。

その正体は……。


表現力は必要ない役だけど、演技力は必要かも。


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戦士♂

身長:176cm

好きな食べ物:肉料理全般。

嫌いな食べ物:野菜全般。

性格・背景:

ストイックで努力家。実は名家で資産家の息子。次男。

次男だから奔放に生きていると思われがちだが、優秀過ぎる兄に対してコンプレックスを感じており、反発している。

本当は頭がいいのに考える事を放棄し、馬鹿になりきっている。


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盗賊♂

身長:162cm

好きな食べ物:ジャンクフード全般、クリームシチュー。

嫌いな食べ物:特にない。

性格・背景:

社交的で女好き。母子家庭で育った彼は、母親を幸せにしたいと思っていた。

だが、男性に依存する母親に受け入れられず、母が他界した後は自分は誰も幸せにできないと自暴自棄に生きている。


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魔法使い♀

身長:160cm

好きな食べ物:カレー、サンドイッチ。

嫌いな食べ物:コロッケ。

性格・背景:

サバサバしているが、本当は可愛いものが大好き。

もともとは陸上選手を目指いしていたが、彼女が高校生のある時に歩道に突っ込んできた酔っ払い運転の車に轢かれてしまい、両足複雑骨折、じん帯損傷を起こしてしまい、陸上の未来を絶たれてしまう。

大学ではスポーツ医療を学んだが、スポーツに触れる事が嫌になり一般企業に就職する。

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僧侶♀

身長:152cm

好きな食べ物:パンケーキ、プリン。

嫌いな食べ物:苦いものや辛いもの全般。

性格・背景:

可愛くなければ生きている価値がない。という歪んだ信念を持っている。

幼い頃から父親に虐待されて育ってきた彼女は、「愛されたいという願望を満たすために親の前で常に可愛い子供として振る舞い、可愛い娘を演じてきた。

母親が父親にどれだけ殴られても泣きながら媚びた笑顔を見せる姿を見て、「自分も努力して可愛い娘にならなければ愛されないんだ」と解釈する。

そうして生きてきた彼女は、両親亡き今も愛される事を求めて生きている。

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↓↓↓本編ここから↓↓↓



ナレ:夕暮れ時、一行が進む道は踏み鳴らされており、先には平原が続く。


盗賊:「なあ、村への道はこれで合ってるよな?」


魔法使い:「その筈ですけど。っていうかなんで貴方はいつもそんなに距離が近いのですか?」


盗賊:「いいじゃん仲間なんだしさ?」


魔法使い:「私は遠距離攻撃職で、かつ範囲攻撃を主体としてますので近付くのはやめてください」


僧侶:「……そういう理由なんですね」


戦士:「馬鹿言ってないでさ、早く村に到着して休まねえとな。僧侶の魔力が残り少ない」


魔法使い:「いいよね戦士職は。自分の体力だけに注意していればいいんだから」


戦士:「そうだろ? はっはっはっは!」


魔法使い:「褒めてないんだけど」


僧侶:「そういう細かい事に気付けないから、戦士さんなんじゃないですか?」


魔法使い:「あんた、多分一番毒持ってるよね」


戦士:「そうなのか? 毒耐性持ってる相手じゃなきゃ有利だな」


盗賊:「むしろ、お前に毒体制の防具が必要なんだけどな」


僧侶:「……もしかして私、弄られてます?」


盗賊:「いや、まあ、確かに弄ってるっちゃ弄ってるんだけど……」


魔法使い:「あんたは愛されてる。そして戦士はバカにされてる」


戦士:「バカ? 知力が低いって事か? 確かにそのステータスは低いぞ俺は」


盗賊:「ダメだ。会話が出来ねえ」


魔法使い:「同感」


僧侶:「私、弄られたくないです!」


盗賊:「こいつもダメだ」


魔法使い:「同感」


ナレ:そこに、複数の足音が聞こえてくる。金属が擦れる音は、相手が武装した存在だという事を暗に知らせるものであった。


戦士:「何者だ!」


ナレ:誰何の声に、武装した相手、5人の野盗たちのリーダーは下卑た笑みを浮かべながら言う。


ナレ:(野盗)「へっへっへ、死にたくなければ大人しく持ってるもん全部置いて行きな。服も全部脱いでもらおうか」


僧侶:「服を……。この人たち! エッチです!」


魔法使い:「反応するのはそこじゃない!」


戦士:「こいつら……何者かと訊いたのに答えねえとはな。無礼だぞ!」


魔法使い:「そっちでもない!」


盗賊:「ってやってる場合じゃないぜ? 戦闘開始だ! まずは素早さの高い俺からっと……」


盗賊:(M)『野盗なんて雑魚だろうけど、意外といいもん持ってるかもしんねえな、じゃあ最初の一手は』


盗賊:「スキル発動! 盗む!」


ナレ:盗賊の素早い動きから繰り出される、目にも止まらぬその手は、何かを掴んだようだ。


盗賊:「よっしゃ! 成功!」


ナレ:盗賊は、野盗の一人、おじさん野盗のパンツを盗んだ。


盗賊:「なにいいいいいいい!? なんだこれめちゃくちゃ臭ぇ!?」


僧侶:「盗賊さん! えっちです!」


魔法使い:「それは合ってるわ!」


盗賊:「いやいやいやいや! 待ってよその扱いやめて!?」


ナレ:野盗はパンツを奪われた効果により、下半身に尋常ではない不安を覚え、行動不能になった。同時に、盗賊はパンツを得た効果により興奮の状態異常が発動! この戦闘中はスキルを使う事ができなくなった。


盗賊:「なんで興奮すんの!? ねえ俺なんで興奮してる扱いなの!?」


戦士:「戦闘に集中しろ! 俺は敵の前衛に攻撃するぞ!」


ナレ:戦士の長剣が袈裟切りに野盗を切り裂く。野盗の一人が倒れた。


戦士:「よし、あと4人だな!」


魔法使い:「一人股間を抑えてもじもじしてるから、実質3人だけどね……」


ナレ:三人の野盗達が、思い思いの武器を手にし、戦士に切りかかった。


戦士:「ぐはあああああ!! くっ! まだまだああああああ!!」


魔法使い:「大丈夫!? 僧侶! 回復を!」


僧侶:「はい! いきますよ! ヒール!」


ナレ:僧侶の願いは淡い光となり、手に持つ杖の先から癒しの光が飛ぶ。


戦士:「よし、これでまだ戦える──」


ナレ:しかし、その杖の狙いがズレており、癒しの光は明後日の方向に飛んで行った。


僧侶:「なんで!?」


盗賊:「いや、なんではこっちのセリフなんだけど……」


魔法使い:「……ま、まあでも、敵は固まってるから、えーっと範囲を確認してっと。みんな! 範囲魔法飛ばすから距離とって! いくよ! ファイヤーボール!!」


ナレ:魔法使いの放った火球は、3人の野盗たちを巻き込んで爆発する。3人の野盗は堪らず倒れ伏し、立ち上がる野盗はいない様だ。


戦士:「よし、戦闘終了だな!」


僧侶:「いえ、あと一人いますけど」


ナレ:パンツを奪われた野盗はもじもじしている。


盗賊:「……。攻撃。えい」


ナレ:野盗は死んだ。戦闘終了。


魔法使い:「なんだかなあ……」


ナレ:野盗との戦闘を終えた一行は、胸を撫で下をす。そこに、野盗に囚われていた女性が声を掛けてくるのであった。


ナレ:(女性)「皆さんありがとうございます!」


盗賊:「いや、全然かまわないよ。ところでさ、道を聞きたいんだけど、いいかな」


魔法使い:「はいそこ、ナンパしない」


戦士:「ほう……これがナンパというスキルなのか」


僧侶:「えっちですね」


盗賊:「いや、ナンパでもスキルでもないけど、というか僧侶ちゃんに至ってはもう訳わからないし」


戦士:「しかし、村を知っていれば案内してくれる方が安心だろう。話術のスキルの高い盗賊に任せるほかあるまい」


魔法使い:「それもそうね。頼んだわ」


盗賊:「なんか釈然としないけど……、まあいい。なあ、俺たちは休める村を探してるんだが、近くの村を知らないか?」


ナレ:(女性)「もちろん知っています。案内しますのでついてきてください」


ナレ:そうして村に到着した一行は、村長に呼ばれ、村長の家に通される。


ナレ:(村長)「これはこれは冒険者の皆様、どうぞゆっくりしていってください」


戦士:「ありがとう村長。数日宿を借りたいのだが」


ナレ:(村長)なるほど、しかし宿代もかかりましょう。私の家を好きに使ってくれてもよいですぞ」


戦士:「おお! それはありがたい!」


魔法使い:「なにか、ありそうね?」


盗賊:「だな」


僧侶:「厄介ごとってやつですよね、きっと」


ナレ:(村長)「私の家をお貸しする代わり、と言ってはなんですが、一つ困った事がありましてな。なんとかお力を借りたいのですじゃ」


戦士:「わかりました。私達でよければお力になりましょう」


魔法使い:「まあ、こうなるよね」


盗賊:「知ってた」


僧侶:「お約束って、大事です」


ナレ:(村長)「おお、助かります。それがですな、近くに魔物が住み着きまして。そ奴らを討伐していただけないかと思いましてですな」


戦士:「わかりました。お任せください」


ナレ:こうして、一行は魔物討伐を受け、村長の家で休息をとった後に魔物の住処に繰り出したのだった。


ナレ:そこは薄暗い洞窟だった。淀んだ空気は鼻の奥に不快な刺激を運んでくる。そんな洞窟を進んでいると、倒した魔物の一体が謎のポーションを落とした。


戦士:「おお! ポーションか! これは助かる」


盗賊:「んー、でも、変な色のポーションだな?」


ナレ:そのポーションは虹色だった。


魔法使い:「明らかに怪しいわね……ってそこ! 鑑定もせずに飲もうとしない!」


戦士:「え? ダメなのか?」


僧侶:「ダメですよ、どんな効果があるのかわからないんですし。前衛の戦士さんが倒れると、後衛のこっちが困ります」


戦士:「前衛がダメって事なら、魔法使いならいいのか?」


僧侶:「ダメです! 魔法使いさんは攻撃のかなめです。魔法使いさんが倒れると戦闘が長引き、結局受けるダメージが多くなります」


戦士:「うーん……。難しいな」


魔法使い:「飲まないという選択肢はないのね」


盗賊:「……そのようだな」


僧侶:「戦士さん、悩まなくても大丈夫ですよ。盗賊さんがいます」


盗賊:「おれ!?」


僧侶:「はい。ダメージをカットする戦士さん。敵にダメージを与える魔法使いさん。ダメージを回復する私。盗賊さんは特に何もありませんから」


盗賊:「待って! 俺もほら! いろいろスキルでサポートしてるし!」


僧侶:「はい。先の野盗との戦闘でも、おじさんのパンツを奪ったりしてましたもんね」


盗賊:「そこじゃない! 俺の言いたいのはそこじゃない!」


魔法使い:「まあ、盗賊の役目って戦闘以外って考え方も出来るわよね。鑑定のスキル持ってなかったっけ?」


盗賊:「いや、それは取得してない」


魔法使い:「役立たずね」


戦士:「役立たずだな」


僧侶:「役立たずです」


盗賊:「わかったよ! わ! かっ! た! よ! このくそ怪しいポーションを飲めばいいんだろ? それで満足だろ?」


僧侶:「はい、異論はありません」


戦士:「おお! 飲んでくれるのか! 助かる!」


魔法使い:「いや、別に飲まなくても……」


僧侶:「どうしたんですか? 魔法使いさん?」


魔法使い:「うっ! 僧侶ちゃんのキラキラした目から尋常ではない圧力を感じる……!」


僧侶:「ど、う、し、た、ん、で、す、か?」


魔法使い:「あ、あう……」


僧侶:「んー?」


魔法使い:「盗賊。さっさとそれ飲んで死になさい」


盗賊:「ひでえ!」


戦士:「何を揉めてるのかわからんけど、いい効果かもしれんだろ」


盗賊:「ま、まあそうなんだがな……。よし! 覚悟決めた! 飲むぞ!」(飲み干す)


ナレ:勢いよく飲み干した盗賊。その姿が淡く輝きだす。彼は一体どうなってしまうのか。そして僧侶の目的は。四人の思いは錯綜する。僕たちはまだ、この世界について何も知らなかったんだ。


魔法使い:「ど、どう? 大丈夫?」


僧侶:「回復は必要ですかっ!? どうですか!? どうなんですか!?」


魔法使い:「なんであんたはそんなに嬉しそうなのよ……」


盗賊:「う、うおおおおおお!」


ナレ:盗賊は、スキル。完全なる鑑定を体得した。


戦士:「完全なる鑑定?」


魔法使い:「なにそれ、でもなんか凄そうね?」


僧侶:「ちっ」


盗賊:「今「ちっ」って言った!?」


僧侶:「言ってないです」


盗賊:「いや、今確かに──」


僧侶:「言ってないです」


盗賊:「ア、ハイ」


戦士:「ところで、完全なる鑑定ってどんな効果があるんだ?」


ナレ:完全なる鑑定の効果。その手は全ての感触を脳に伝え、その解析能力は人知を超える。スキルを発動した上でおっぱいを触ると、そのおっぱいが何カップであるかを正確に知る事が出来る。


盗賊:「え?」


魔法使い:「うわー」


僧侶:「盗賊さん?」


盗賊:「大体想像つくけど、なんだよ僧侶ちゃん」


僧侶:「えっちです!」


盗賊:「知ってた!」


戦士:「……少し羨ましい」


魔法使い:「え? せ、戦士?」


戦士:「羨ましい……」


魔法使い:「あー! もう! 先に進みましょう!? これじゃいつまで経ってもクリアできない!」


盗賊:「そ、そうなんだけど……なあ、戦士。お前ならわかるだろ?」


戦士:「ああ、分かるぞ。分かるぞ盗賊」


魔法使い:「……なによ」


盗賊:「ほら、なんというかさ。折角手に入れたスキルじゃん?」


魔法使い:「うん」


戦士:「まあ、あまり役に立つ効果ではないとは思うのだが」


魔法使い:「うん」


盗賊:「試してみたいなぁ、なんて」


魔法使い:「うん?」


盗賊:「魔法使い! 頼む! おっぱいを揉ませてくれ!」


魔法使い:「はあああ!?」


戦士:「俺からも頼む! 揉ませてやってくれ!」


魔法使い:「なんであんたも!? 僧侶ちゃん! ちょっとみんなに例のアレ言ったげて!」


僧侶:「皆さん」


盗賊:「うっ……なんだよう」


僧侶:「みんなで協力しましょう! 私は魔法使いさんの右手を抑えます。戦士さんは左手を!」


戦士:「おう!」


魔法使い:「ダメだこいつらああああああああ!」


ナレ:洞窟の最奥にある扉の奥から、大きなうなり声が聞こえてくる。


戦士:「うるさい! 今はそれどころではない!」


ナレ:洞窟の最奥にある扉の奥から、大きなうなり声が聞こえてくる。


魔法使い:「やめてーーーーー!!」


僧侶:「戦士さん! だめです意外に力があります! 盗賊さん何か縛る物を!」


盗賊:「おう! えーっと何かあったかな……あ! そうだ! これがある!」


戦士:「この際何でもいい!」


盗賊:「これだ! 僧侶! 使えるか!?」


僧侶:「貸して下さ──ってなんですかこれは!?」


盗賊:「野盗から奪ったパンツだ!」


僧侶:「なんでよりによって野盗さんのパンツ渡すんですか!」


戦士:「野盗のがダメなら、俺のパンツもあるぞ!」


僧侶:「違いますっ! そういう事じゃないんですっていうか脱ごうとしないでください色々問題ですっ!」

魔法使い:「私のおっぱい触るのは問題じゃないの!? ねえホントにやめてーーーー!」


ナレ:……あの……洞窟の……最奥に……。


僧侶:「あーもう! 今いい所なのになんなんですか!」


戦士:「そうだぞ! よくないぞ!」


ナレ:目がマジだなお前ら。だが、そろそろ遊びは終わりにしないと、警察がやってきてお前らが討伐されることになるぞ。


僧侶:「さあ、奥の扉を開けましょうか」


戦士:「おう」


盗賊:「おや、どうした魔法使い。息を切らして大丈夫か?」


魔法使い:「……殺す。絶対どさくさに紛れて殺してやる」

ナレ:ど、洞窟の最奥にある扉の奥から、大きなうなり声が聞こえてくる。


魔法使い:「ボス戦ね」


盗賊:「ボス戦だな」


戦士:「罠は?」


盗賊:「おっけ、見てみるよ。スキル! 罠探知! ……罠は無いようだな。からの、スキル! 解錠!」


ナレ:がちゃり、という音と共に扉に掛かっていた鍵は開いたようだ。


戦士:「よし、では前衛は俺と盗賊。僧侶は真ん中に入って、しんがりは魔法使いだ。では、開けるぞ」


ナレ:扉を開けると、そこはまるで城の謁見の間といった部屋だった。豪奢な玉座が据えられており、そこに異質な存在が座していた。


ナレ:口腔からは収まりきらない程に長く、鋭利な牙が無数に飛び出し、肉体はまるで鋼の様な光沢を放っている。


盗賊:「へえ、これはこれは」


戦士:「大物っぽいな、気を抜くなよ」


ナレ:(魔物)「貴様ラ! 人間風情ガ何ノ用ダ!」


魔法使い:「別に? ただ、倒しにきただけよ?」


僧侶:「村人さんたちを困らせる存在……。許せません!」


盗賊:「おし! 初手は任せろ!」


戦士:「油断するなよ!」


盗賊:「わかってるって!」


盗賊:(M)『っと、やっぱこれだけの魔物だ。盗賊としてあのスキルは欠かせねえよな』


盗賊:「スキル発動! 盗む!」


ナレ:盗賊は目にも止まらぬ動きで魔物から何かを掠め取った。


盗賊:「よおっし成功!」


ナレ:盗賊は魔物のパンツを盗んだ。


盗賊:「なんで!?」


ナレ:これにより、盗賊はパンツマスターの称号を獲得。以降、盗むのスキルはパッシブスキル下着泥棒の効果により、必ず下着を盗む効果に変化した。


盗賊:「なにその不名誉な称号!」


僧侶:「盗賊さん」


盗賊:「な、なんだよ」


僧侶:「えっちです!」


盗賊:「うるせえよ!」


戦士:「遊んでないで行くぞ! 俺の攻撃を食らえ! うおおおおおおおおお!!」


ナレ:戦士の長剣が風でうなり声をあげ、叩きつけるように魔物に襲い掛かる。


戦士:「今だ! 追撃!」


僧侶:「はい!」


戦士:「え? お前じゃな──」


僧侶:「おらあああああああああ!!」


ナレ:僧侶が振り下ろした杖が、轟音と共に魔物に叩きつけられた。


戦士:「いや、か弱い僧侶の攻撃ではダメージは──」


ナレ:(魔物)「グワアアアアアアア! ナンテ攻撃ダァ!」


戦士:「めっちゃ効いてる!?」


魔法使い:「あーもう! めちゃくちゃじゃん! 取り敢えずダメージ積み重ねるよ! ファイヤーボール!」


盗賊:「ちょ、それ範囲攻撃──」


ナレ:魔法使いの放った火の玉は、魔物に当たって爆発する。

ナレ:(魔物)「グワアアアアアアア!」


魔法使い:「よし!」


ナレ:そして近くに居た戦士と僧侶を爆発が襲う。


戦士:「グワアアアアアアア!」


僧侶:「よし! じゃないですよ!」


魔法使い:「てへ♡」


戦士:「かっ……」


盗賊:「大丈夫か!? 戦士!」


戦士:「……可愛い」


盗賊:「え?」


戦士:「え?」


僧侶:「え?」


戦士:「え?」


魔法使い:「……え?」


僧侶:「……と、とにかく、回復しないと。いきますよ! ヒール!」


ナレ:僧侶の構えた杖の先から癒しの光が飛ぶ。


戦士:「よし、体勢を立て直すぞ──」


ナレ:癒しの光は魔物に当たった。魔物の体力は回復した。


僧侶:「なんで!?」


盗賊:「こっちのセリフだよ!」


ナレ:(魔物)「遊ビハ終ワリダアアアア!!」


魔法使い:「これは……範囲攻撃!?」


戦士:「まずいぞ! みんな! 散れ!」


盗賊:「って言ったって無理だろこれえ!」


僧侶:「神よ……」


盗賊:「祈ってないで防御魔法とかないのかよ!?」


僧侶:「なるほど! その手がありますね!」


盗賊:「おいおい! さっさとしろ!」


僧侶:「でもそんな魔法ないです!」


盗賊:「こぉいぃつぅわああああああああ!!」 


ナレ:魔物の放った攻撃は、黒い光を放ち。全員を巻き込んで爆発した。


盗賊:「ぐはっ! こいつは……僧侶ちゃん! 大丈夫か! 立てるか!? 手を貸すぞ──ん?」


僧侶:「……盗賊……さん? 『どこ』に手を貸してくださってるんですぅ?」


盗賊:「あ、いや、これはその、助けようと手を伸ばしたら誤ってですね……」


僧侶:「ふううううううん?」


盗賊:「あ、はははは。僧侶ちゃん意外とEカッ──ごはぁ!」


ナレ:盗賊は僧侶の渾身の一撃により、瀕死状態になった。


戦士:「おかしい人を亡くしたな」


盗賊:「まだ死んでねえ!」


僧侶:「あれぇ? まだ生きてるんですかぁ?」


盗賊:「あ、いや、だから謝るって──」


僧侶:「えい!」


盗賊:「ぐっはああああ!」


ナレ:盗賊は僧侶の攻撃により、あと一撃で死ぬ状態だ。


魔法使い:「僧侶ちゃん! 今は魔物を何とかしないと!」


僧侶:「……ヒール」


ナレ:盗賊は僧侶のヒールで回復した。


盗賊:「あ、ありがとう僧侶ちゃん、さっきは本当に悪かったと思って──」


僧侶:「てい!」


盗賊:「ごはぁ!」


ナレ:盗賊は僧侶の攻撃で瀕死になった。


僧侶:「ヒール」


ナレ:盗賊は回復した。


盗賊:「そ、僧侶ちゃ……僧侶様? もうゆるし──」


僧侶:「死ね!」


盗賊:「ごは!」


ナレ:盗賊は瀕死になった。


僧侶:「ヒール」


ナレ:盗賊は回復した。


僧侶:「おら!」


盗賊:「ごは!」


ナレ:盗賊は瀕死になった。


戦士:「なんだろう……。あそこは恐ろしい地獄になっているな」


魔法使い:「無限地獄ね……」


戦士:「とりあえず俺たちだけでなんとかしないとだな。どうする」


魔法使い:「とりあえず回復役がああなってる以上、最大火力の全力攻撃を続けるしかないわ」


戦士:「OK。じゃあ、いくぞ!」


魔法使い:「戦士が近づく前に……ファイヤーボール!」


ナレ:火球が魔物を燃やし、魔物は苦しそうな声を上げる。


戦士:「よし! いいぞ魔法使い! 次は俺だ! 食らえ! スキル! 六連撃!」


ナレ:戦士の長剣が六度煌めく。魔物は今にも倒れそうだ。


ナレ:(魔物)「オノレ! 人間ゴトキガ! 貴様ラ1人残ラズ灰ニシテクレル!」


僧侶:「ちょっとあなたうるさいですよ」


ナレ:僧侶の振り下ろした杖は、魔物の脳天を直撃した。魔物は死んだ。


現実の5人の会話。


魔法使い:「え? なにあの最後」


戦士:「おいおい、これ、僧侶の筋力おかしくないか?」


魔法使い:「本当、っていうか一部深刻なセクハラありましたよね??」


僧侶:「私! 一生許しません!」


盗賊:「で、でも、面白いっすね、これ」


僧侶:「話を変えようとしてもダメです!」


戦士:「あー、おれがポーション飲んでおけば……」


魔法使い:「心の声、漏れてるわよ」


盗賊:「ま、まあ! またやりましょうよ! ね?」


ナレ:「はいはい、次は違う設定でやってみるか」


戦士:「お、いいね。でもそろそろ時間じゃないか?」


魔法使い:「そうね、また後日って事で」


僧侶:「たのしみですね」


ナレ:「じゃあ、みんな。おつかれさまでした」

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