ダンジョン攻略RTA配信者さん、うっかり有名インフルエンサーを助けてしまい拡散されて超人気配信者になる。
綾鷹抹茶ラテ
一章 B-3クロガネ侵攻核阻止・破壊作戦
第1話 始まり%
超絶お久しぶりです。
衝動で書きました。ぼくこういうのすき
ガバを修正しようとしたらミスって下書きに戻しましたァ!ごめんなさい!(2023/09/14 )
─────────────────────
今から80年前、世界各地に突如として謎の遺跡が現れた。
そこには謎の生物が生息しており、遺跡の中に入ると不思議な力が使えるようになった。
そうして遺跡は後に『ダンジョン』と、生物は『モンスター』、力は『スキル』と名付けられた。
モンスターを倒すと獲得できる素材は、完全なオーバーテクノロジーの実現を可能にした。
スキルは、今まで不可能だった研究を可能にし、化学を大幅に発展させた。
ダンジョンは、国と国の素材の貿易を盛んにさせた。
そして、現在。
一般人の攻略が可能になり、素材も売れるようになると、ダンジョン攻略が若者のトレンドに。
それはもちろん、配信界隈でも。
高値で売れるモンスター素材のロマン。そして死と隣り合わせのスリルが極上のエンターテイメントとさせたのだ。
よって現代の配信界隈のトレンドはもっぱら、『ダンジョン』一色。
そしてここにも、ダンジョン配信者が1人。
「よし…それじゃぁ、配信スタートっと。どうも、もののべです。」
『どうも』
『またやってる』
『この人埋もれてるのおかしいよね』
「あ、どうも。例によってダンジョンRTAです。
前回は──」
彼は
白髪の細身で、身長は決して高いとは言えない。いや、ぶっちゃけてしまうと低い。非常に低い。
そんな彼も、今をときめくダンジョン配信者だ。
しかし、彼の配信スタンスは一味違う。
「それでは始めます。レギュレーションはいつもの『漢は裸一貫%』。武器を持たず、限界まで軽装にした状態で走るチャートです。攻撃手段は己の身体かダンジョンにあるもののみ。
まぁいちいち相手してたらタイムロスなので極力避けますが。
1層の扉をタッチしてから計測開始、5層の最奥の扉をタッチしてゴールです。
じゃあ、よーいスタート。」
扉をタッチし、それと同時に宙に表示されたストップウォッチを押してからバネ仕掛けのおもちゃのように地面を蹴って走り始める。
そう、コレが彼の異質な点。彼はダンジョン配信者でも、ダンジョン"RTA"配信者なのだ。
ダンジョンRTA。最速でダンジョンを全層攻略するタイムアタックだ。
ただえさえ1層ごとにモンスターは強くなり、普通に攻略するのもかなりの時間を有するダンジョン攻略を最速で駆けようとするRTA。
まぁ、言ってしまえばただの変態だ。
現在の配信界隈ではあまりポピュラーなものではなく、むしろマイナーと言えるだろう。
「ゴブリンがいますね。戦闘する時間が勿体ないので飛び越えます。」
驚異的なジャンプ力でゴブリン数体の群れの頭上を飛び越える。
『あ り え な い』
『TASさんみたいにビル渡る』
『↑たわけた歌やめろ』
「ここを右、左、この先は直角カーブです。くおーぶつかる、ここでインド人を右に!」
と言いながら壁を走って曲がる。
『ファーww』
『ありえんて』
「はい、1層突破です。良いペースですね。」
ドアを蹴破って階段を駆け下りて2層へ向かう。
『ドアさん大事にして』
『ここまで5分』
『普通なら30分かかります。はーやってらんねーわマジで』
「オークがいますね。避けれないんで…しょうがない、ぶち飛ばします。」
立ち塞がるオークに勢いそのまま膝蹴りをぶち込む。爆音と共に上半身が弾け飛ぶオーク。
「うぇ、汚い。」
『グロww』
『合成にしちゃリアルやな』
『やりすぎ』
『騙す気ないでしょ。』
見ての通り彼は強い。
一般的にモンスターが出す魔石を加工して作られた特殊な装備を着て挑むダンジョンにスポーツウェアで来ており、極めつけには武器すら持っていない。にも関わらず今まで怪我ひとつなし。
だが逆にその強さが非現実過ぎるため、見てわかる通り信用されていなかったりする。
合成、CGと言って、彼の強さはペテンだと思われている。
無論、これは生配信。そんな編集の力は使えないが、そういうスキルがあるのだろうと疑心暗鬼に陥っているのだ。
世知辛いね。
「はい、2層突破。ここからもっとスピード上げます。」
『もう人が出せる速度超えてんだって』
『はっや』
『もう飽きた』
『飽き性ニキこれで飽きるのはどうかしてるって』
「……」
(まぁ、楽しくトークとか出来るわけじゃないからなぁ……飽きるのもしょうがないのかもしれない。)
そう思いながら、爆速でダンジョンを駆けていく。
「はい、3層突破です。4層はちょっと癖が強いですが、頑張ります。」
4層を走っていく。彼が5層に行く頃には、同接数は48程となっていた。
◇
「ふぃー、やっと5層だ!」
『長かった』
『乙』
『何時間かかったんよ』
『5時間はかかったやろか』
と、額の汗を拭いながら階段を降りてきたのピンク髪の少女は
今配信者でもっとも有名といっても過言ではないほど絶大な人気を誇る配信者だ。
今しがた、時間をかけて5層にやってきた所らしい。
『ヘルヘルプが出た時はヒヤッとした』
「ねー!ヘルヘルプホント卑怯!あんなの放っておけないもん!」
『やさC』
『慈愛の天使過ぎて涙がで、出ますよ』
ヘルヘルプは海外産のモンスター。人間の助けを求める声を真似して襲いかかるモンスターだ。
「でも、Aランクでここまで来れたのは凄くない!?」
ダンジョン攻略をする人間は『開拓者』と呼ばれ、ランクが存在する。
上からSS、S、A、B、C、D、F の7つ。
Bが1人前、Aが腕利き、Sが達人。SSは規格外で、圧倒的な力と重大な発見をした功績があって初めて認められるものだ。某奈落冒険漫画で言えば白笛のようなもの。
ランクに呼応して、推奨される階層が違うのだが、Aランクは5層はあまり推奨されていない。
「危険だと思ったらこの緊急脱出装置で逃げれるし、安心して潜れるね!」
『心配だわ』
『俺が護るよ』
『2秒も持たない定期』
『緊急脱出装置ってなんぞ』
『説明しよう!緊急脱出装置とは!』
『ボタンを押すことでダンジョン内ならどこでも1層に戻れる装置のことやで』
『ほーん、サンガツ』
「じゃあ、ちょっと巻きでいこうか!マネージャーさん、カメラ持ちももーちょっとの辛抱だよ!」
『マネさんもう腕プルップルよ』
『かわいそう』
と、リスナーのコメントと談笑しながら進んでいく。
その時だった。大きな振動が起きたのは。
「きゃあ!なに、なに!?」
『揺れてる』
『やばいかも』
地面が盛り上がり、割れ、中から謎のモンスターが出てくる。
『これは…』
『
『アンチェイン…?』
『説明しよう!アンチェインとは!』
『下の層から直接上の層に上がってくるモンスターのこと…ここは5層だから、立ち入り禁止の6層のヤツだ!逃げろ!』
砂埃が止み、視界がクリアになる。
それにより見えたモンスターの姿はあまりに禍々しく。黒い体表に、赤い目。口からは紫の炎が溢れ出ている。
その姿は、まさしく『ドラゴン』そのもの。
「う、うわあぁぁあぁぁあ!!!」
中を舞うカメラ。画面の端では男性が両手を上げて凄まじいスピードで逃げている姿が確認できた。
「ま、マネージャーさん!?……うぅ、せめて1発!」
腰から剣を抜き、ドラゴンに切りかかる。が、
ベギン。
と剣は音を立てて折れた。
『マネ逃げたぁぁ!!!』
『せめて盾になれ』
『んで折れた!!!』
『まるで歯が立たない』
『逃げろ逃げろ』
『ナオちゃん逃げて!!』
『死んじゃう』
コメントが加速していく。普段のおちゃらけた雰囲気はなく、本気で心配している。
裏腹に、7万だった同接数が10万、11万と数を増やしているのは配信者の宿命だろうか。
今この状況がどれだけ絶望的なのか、彼女も分からないほど馬鹿ではなかった。
「あ、そうだ、緊急脱出装置を…」
懐から装置を出した瞬間、
《ギグギャァ!》
ドラゴンが鉤爪で装置を貫いた。
「あ……はは……」
『まずいまずい』
『遊んでやがる』
『逃げて』
「はは…ダメ……腰が抜けて…」
ドラゴンはニンマリと笑って、腕を振り上げる。
「お母さん…!」
ナオは目をギュッと閉じて、死を覚悟する。
瞬間。
タッタッタッと、走る音が聞こえた。
《ギュガラ?》
振り向くドラゴン。
「誰か…来てる…?」
『確変?』
『流れ変わったな』
『こっちに呼べ、んで壁にして逃げろ』
「こ、ここ、こっちに来ちゃダメです!逃げてください!!!」
『何やってんだナオォォォ!!!』
『自分より他人を優先する、そうだそういう奴だナオちゃんは』
「へへ…死ぬ前に1人救えた……」
が、依然として走る音は近づいてくる。
「──え?なんで?こっち来てる?」
『てかなんか…』
『速くねえか?』
『近づくスピードがおかしい』
『加速系のスキルか?』
訂正しよう。先程の走る擬音を「タッタッタッ」と表現したが、実際は「ズドドドドド」の間違いである。
ここまでの一本道。その奥から、凄まじい速度で猛進してくる青年が薄暗闇から現れた。
「なに…あの人……」
『見えない』
『マネージャーエェ…』
地面に横たわったカメラからは見えないため、逃げたマネージャーに怨みを吐くリスナー。
「なんで……?聞こえてなかったの……?」
そしてあろう事かその青年は、そのスピードのまま飛び跳ね、音に反応して振り向いていたドラゴンの顔に蹴りを入れた。
首が逆に折れ曲がり、鱗は弾け、肉はブチブチと音を立てて裂けて骨がバキボキと音を立てる。
「へ?」
『ん?』
『…おや?』
『おやおやおや?』
そして最終的には、ドラゴンの首はもげて吹き飛んだ。
そのまま倒れ伏すドラゴン。今の一撃で絶命したらしく、そのまま素材へ姿を変える。
「──ハッ!あ、あの!助けてくれてありが…いない!」
呆気に取られていたナオ。気を取り直し、青年に礼を言おうと顔をあげると、そこにはもう誰もいなかった。
『…は?』
『見えんかった』
『一瞬写ったな』
『気付いたらドラゴンの首吹き飛んだんだがww』
『写ったとこで止めても残像しか見えねぇww』
「……えっと。」
『素材そのまんまやな』
『持ってく?ドラゴンの素材とか超高値で売れる』
『今相場調べたけどエグくて草ァ!リアル椅子からひっくり返ったゾ』
『アレ…ワイの年収より高くねー?』
『悲しいね……』
「あの、ドラゴンの素材は持っておきます。助けてくれた方にまたお会いできたら渡そうと思います。」
『俺を殴れ。』
『俺も殴ってくれ。』
『汚れちまったな……俺達…』
『純粋だ……尊い通り越して眩い』
「今日はひとまず帰ります。待ってたら会えるかもしれないですが、メインの武器をやられてしまったので。」
『せやね、5層でメイン武器無いのはまずい』
『おつおつ』
『暖かくして寝るんやで』
『組合に報告も忘れずにな』
「はい!皆さん長時間お付き合いありがとうございました!それでは……あれ?」
締めの挨拶をしようとした瞬間、ナオはあるコメントを捉えた。
『乙前ギリギリセーフか!?さっきの人特定したかも!!!→https://mytube.com/@mononobe_rta?dFb6Feh6as3CBska』
「……え?」
『うおおおお』
『特定班wwwww』
『俺は今、伝説を見ている』
『URL踏んだけどマジや』
『配信中やぞこの人』
『コイツHAEEEEEEE』
「ちょちょちょっと待ってください!?」
1人のリスナーから提示されたリンクをコピペし、動画配信サービスのMyTubeへ飛ぶ。
「あっあっあっ!この人!この人です!」
『同時視聴マ?』
『ほぼほぼ装備着てなかったように見えたんやが……まさかな』
一撃で
怖いもの見たさにも似た気持ちで、ナオはこう提言した。
「……ちょっと、見てみましょうか。」
─────────────────────
URLはようつべのフォーマットをパクリました。?の後は適当です。
ちなみに配信とかそういう感じのやつは、某頑張れ♡頑張れ♡開発者の方と多様性原神の方と、後はニコ生しか見た事ないです。
エアプ。
え?続き?知らんな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます