結末
…そんこんなで多分なんとかなり?俺は無事現世へと生き返ったのだった。
しばらく書類と睨めっこしながら挌闘していたアテネはどうやら疲れ切って
クタクタのようだ。
「はあ…よっこいせー、なんとかなりますたー。」
おっさんのような胡坐を搔いて額の汗を拭い、そのまま寝そべる女神アテネ。
突然目の前に現れた俺に3人は信じられない様子で目を丸くしている。
「…誠さん!本当に誠さんですか!?」
「…生きてた。」
「あんた、どうやって…」
…いろいろとめんどくさそうな事情が絡んでいるから誤魔化しておいた方が良いだろう。
「いや、俺も実は良く分かってないんだけどな、多分俺にもクーのラールが効いていたら
しい、位置的に離れていたから、俺が転移した場所も少し遠かったという訳だ、多分…」
ニャミスが涙ぐんでいる、と同時にクーが飛びかかってきた。
「…誠、もう離さない。」
「えーん、生きてて良かったよお―――――――――――――――
私も離しません――――――――――!」
2人に押し倒され、俺はやれやれと2人の頭をポンポンと撫でる。
カエデは何か疑っているようで、アテネの方を不思議そうに見ていた。
小声でアテネに耳打ちする。
それを聞いた女神はパッと飛び起きると、わざとらしく俺に抱きついた。
「えー――ん、えー―――ん、よかったですー、何はともあれです―――――。
と言うと直ぐに俺から離れ、
「生きててよかったです、それじゃまた!ドロン!」
とマスコットサイズになって多分俺にしか見えない状態になった。
カエデはしばらく、不可思議に考え込んでいるようだったが、
一旦考えるのを止めたのか、俺に話しかけてきた。
今まで見なかった表情で少し照れ臭そうに、少し女の子らしく…
「本当によかった…その…あの時、助けてくれてありがとう。
…誠…のことを見誤っていたようだ。
酷いこともたくさん言ってしまって…その…ごめんなさい。
ニャミスもクーも…ずっと言えなかったけど食料を分けてくれてありがとう。
貴方たちがいなかったら、とっくに死んでいたわ。
何かお礼をしたいんだけど…。」
そういうと、ニャミスとクーのどでかい腹の虫が鳴った。
そうだ…!ご飯をごちそうするわ!
貴方たちの好物を一杯作って招待するから今度家に遊びに来て!」
話を聞いてニャミスとクーと顔を合わせてニコッと笑う。
「…きんぴら山盛りつゆだくでよろしく。」
「私はカエデさんの得意料理をご馳走して頂きたいです!」
「…あんたは?」
照れ臭そうに…でも少し彼女の頬が赤く見えた。
「んー、オムライスで。」
「OK、そうね…少し休みたいし、3日後にギルドに集合でどう?」
「ああ、いいぜ。」
クーがカエデをジーっと見て、
「…私たちはもう仲間。」
それを聞いて少し戸惑った様子のカエデだったが、少しはにかんで、
「ええ、そうね。次のクエストは是非ご一緒したいわ。」
と嬉しそうに言ってくれた。
何はともあれ一件落着だ。
俺たちはギルドに戻ると今回の事の顛末を受付のお姉さんに話した。
今回のクエストは目的不達成で報酬なし、普通なら罰金もあるのだが
今回は依頼したギルドにも過失があったとのことで、
逆に治療費などの保険金みたいなものを貰った。
おれが今回得たものは形に残るものは何もなかったが、
しかし、頼りになるんだかどうだか分からない気の置ける仲間を三人も手に入れることが
できたのは大きな財産になるだろう。
俺は2人を家へと案内すると当然のように3人一緒に泥のように眠った。
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